2886:配慮を示していこう。
「そちらは出来ればといったところですわね」
「あれ、そうなんすか?」
さっきの飛び道具に対する「嫌でもやってもらう」くらいの勢いで言うかと思ったら、直接叩く方はそうでもなかった。
どうせ痛くないだろうから別に良いやって感じなのかな?
いやまぁ遠距離攻撃の方も冗談半分で、本当に強要するつもりなんて無いだろうけど。
「こちらに近付く事で悪影響が出るのでは、無理にとは言えませんので」
「あ、その辺の配慮はきっちりしてんすね」
あぁ、【妖精】の仕様で迷惑をかける可能性を考えてって事か。
普通のサイズからだと小さくて見えづらいとはいえ、一応かなりの人目が有る場所だもんね。
まぁ正直さっき思いっきりぺたぺたしてたから、手遅れなんじゃないかと思わなくもないけど。
「どっちかってーと悪影響っつーか、良過ぎて困る方っすけどね」
「なんも考えなくて良いならずっとくっついてたいくらいだからなー」
自分では体験してないから何とも言えないけど、アヤメさんが言うには相当落ち着くらしいからなぁ。
同じ人型同士だしプレイヤー同士だしって事で色々とアレだから、わんこやにゃんこにもふーっと埋もれて寝ちゃう様な勢いでは中々行けないよね。
……そこの見た目が無駄に良い変な生き物は、それ以上の勢いで襲い掛かってきたけどね。
私じゃなかったら普通に通報されててもおかしくないぞ。
いや呆れて文句を言うだけで済ませる私が相手だからこそ、遠慮なくやらかしてきたんだろうけどさ。
その辺を見極める性能も高過ぎるのが実に腹立たしいぞ。




