2852:聞かれたら困る事を呟こう。
「いやちょっと、子供じゃないんだからさ」
なんかアヤメさんが急に両脇からがしっと掴まれてたかいたかいされてる。
相変わらずやたらと召喚獣に好かれてるな。
「……レティと雰囲気が似ててちょっと怖いんだよな」
……横で見てるレティさんに聞こえない様にボソッと呟くアヤメさんと、怖いと言われて微笑んだままちょっとしょんぼりするリアン。
ちょっと苦手意識は有るかもしれないけど、別に嫌われてる訳じゃないから大丈夫だと思うよ。
というかアヤメさん、そっちの四人が「確かに……」みたいな反応してバレたらどうする気だったんだろうか。
まぁ一番中継しちゃいそうなのはすぐ顔に出てるっぽい私なんだけどさ。
「アヤメさんがもっと小っちゃくて可愛いっすー」
「お前それ聞き様によっちゃ失礼だからな?」
カナメさんの歓声に苦言を呈すミカさんだけど、内心似たような感想を抱いてそうな顔してる。
こっちの半分サイズの四人から見ると三十センチくらいで、ちょっと大きめのお人形みたいな大きさだから気持ちは解らなくはないけどね。
とりあえず「もっと」の一言は別に要らないんじゃないかと私も思うよ。
確かに元々アヤメさんよりかなり大きいから、間違いではないんだろうけどさ。




