2832:じゃらしを阻止しよう。
まぁそれも実行犯の私が言う事じゃ……と思ったけど、よく考えたら私が何かしなくてもお姉ちゃんのやらかしとかレティさんのお仕置きとかでちょいちょい被害は受けてるのか。
とはいえどちらにせよ加害者側なのは変わらないんだから、言う資格はあんまり無いか。
おや、通りすがりの背の高い……というか帽子で角は見えないけど全体的にでっかいから鬼のお姉さんだな。
お姉ちゃんを見てかばんに手を入れたっぽいんだけど何か有るのかな?
「待って待って待って」
「だめ?」
……なんで鞄からスッと猫用のおもちゃが出てくるんだろうか。
しかも全力で遊ぶつもりなのか二本セットで。
なんで路上で見かけただけのよその猫ちゃんと、その場で楽しむ気満々なんだこのお姉さん。
ここ大通りのど真ん中だぞ。
「ここじゃ危ないから、せめて着いてからお願いします」
「はーい」
あ、しぶしぶって感じではあるけど割と素直だ。
「おいでおいで」
……いや、みけちゃんを抱っこしようとしてるしそうでもないのか?
まぁ大丈夫ですって断られて素直に引き下がってるから良いんだけどさ。




