2776:我慢出来ずに仕切りに行こう。
「抜け駆けしてくるから皆は先に行っててー」
「はいよ」
あ、ロシェさんが堂々と抜け駆けって宣言して飛んで行ってしまった。
「あー、良いなー」
「良いからあんたは大人しく乗り物になってろ」
「はーい」
……そういえば召喚獣は預けたままで良いんだろうか。
まぁ当の二匹がいってらっしゃーいくらいの顔で見送ってたから良いんだろうけど。
「まずは私が相手だーっ、って事で一気に人数絞ろうねー」
あぁ、司会と全員でじゃんけんして負けた人から脱落していくってやつをやりに行ったのか。
普通に一対一でサッと済ませた方が半々になっていって早そうだけど、それよりも楽しさと分かりやすさを優先した感じかな。
ふるい落とすのが【妖精】なら揉め事の可能性も減りそうだしね。
まぁ元々ノリが良いだけのまともな人が殆どっぽいから、そうじゃなくてもケンカとかになったりはしないだろうけど。
「後ろの方だと小さくて見えないんだけどー」
「気合で何とかしてくださーい」
……というかロシェさん、声やたらデカいな?
一応ずっと離れ続けてるのに未だにしっかり聴こえてくるんだけど、あの人頑張ったら【聴力強化】が無い相手でも普通に話せるんじゃなかろうか。




