2772:元気に先導しよう。
「なになに、良いお店でも有ったの?」
「どうなんでしょう」
「行った事は無いのかよ」
「寄ってかない?って言われたけどまたの機会にーって言ったんだよね」
表から見た店の雰囲気と店員さんの愛想は良い感じだったけど自分で何か食べた訳じゃないので、実際に行った事の有るエニュアンさん達に確認してみたら即座にツッコまれてしまった。
「まぁ……普通に美味しいってとこかしらね」
「そうですね。私達の様な偏食家にも対応してくださいますし、良いお店だと思います」
べた褒めって感じではないけど、少なくとも平均点以上には違い無いって感じなのかな?
まぁそうじゃなかったら、あんな半端な時間帯にお客さんで賑わってないだろうけど。
もしかすると、下手に褒め過ぎてハードルが上がるのを避けたのかも。
あんまり凄い凄いって言われた後だと、ちゃんと美味しい料理でもそこまでかなぁってなる可能性が有るもんね。
「それじゃそのお店にれっつごーだね」
「先頭をずんずん進むのは良いけど場所知ってんのか?」
「わかんない!」
「力強いお返事をどうも」
そりゃ行きたいお店が有るって話しか出てないんだから、知ってる方が珍しいよね。
まぁ飲食店って時点で大抵は広場か南西区だろうし、そうじゃなかったら先に言ってそうではあるけどさ。
とりあえず、「私が案内するよ!」くらいのテンションで元気に進む前に大体の場所は聞いておいた方が良いと思うよ。




