2744:負けじとほぐそう。
「ぴゃ……」
あ、隣のぴーちゃんも揉まれてるっぽい。
ほえいちゃん、サービス精神旺盛だな。
「ん? ……別に対抗しなくても良いんじゃない? いや気持ち良いけどさ」
シルクがそーっと背後に寄って来たと思ったら、肩周りのマッサージが始まった。
そんな負けてはいられませんみたいなノリで来られても反応に困るぞー。
あー、ずっと飛んでるから全く疲れてない太ももやふくらはぎも、こっちに合わせて変形したほえいちゃんにむにむに挟まれて……
「……あー、うん、やっても良いけどあんまり痛くはしないでね?」
気持ち良いなーって視線を下に向けたら、なんか足の所でリアンが私に気付かれるのを静かに待ってるのが見えた。
言わなくても大丈夫だと思うけど、その位置だと足つぼマッサージのイメージが強いので一応お願いしておこう。
というかなんでそんな皆して揉みたがるんだ。
まぁその疑問、こっちが【妖精】だからっていう一言で終わっちゃいそうなんだけどさ。
単にくっつくだけでも満足かもしれないけど、せっかくなら癒しをって事なんだろう。
ん?
「……それ大丈夫なの?」
ふと視界の端に違和感を覚えてそっちを見てみると、何故かひっくり返ったラキの上半身がほえいちゃんに沈んでた。
あんな状態でもちゃんと聞こえてるらしく、ほぼ透明のほえいちゃん越しに元気な笑顔を見せてくれたので心配は要らないっぽい。
あぁ、すっぽり包まれて全身マッサージを受けてるのか。
いや上半身だけだから全身ではないんだけど。
というか別に逆さじゃなくても、全身沈むなりほえいちゃんに変形してもらって上から覆ってもらうなり色々と有るでしょうに。
まぁ一番手っ取り早くはあるかもしれないけどさ。
それでもせめて横からの方が良いんじゃないかと思うんだ。




