2662:着る物の心配をしておこう。
「【妖精】の初期装備って、妖精さんみたいな普通の服じゃなくて変態のやつなのよね?」
「そうですね。体形を見せる為のサンプルかなって思ったら本当にそのまま放り出されましたね」
「若干の恨みを感じるわね……」
まぁ実際は「へーこんな感じかー」くらいの認識でそこまで考えてなかったけどね。
とはいえまともな服にしておいてほしかったのは事実なので、特に訂正は必要無いな。
「じゃあ何か羽織る物でも用意しておかないとね」
「確かに、これはちょっと……」
なんだかエニュアンさんはそこまで気にしてないっぽい雰囲気だけど、うっかりスルーしてそうなエクセルさんの為に言ったのかな?
というかエクセルさん、すっごい鍛えてるけど別に人に見せたい訳ではないのか。
でも寄ってきたぴーちゃんには自慢してたから、意味も無く露出する趣味は無いって事かな?
いや、別に他のボディビルダーの人も誰彼構わず見せびらかしたい人ばかりじゃないとは思うけど。
あとカトリーヌさん、街中でこれは無いよねって視線を浴びて元気にならないの。
言うだけ無駄というかそれで満足してくれるならその方が良いんだけどさ。
「まぁもうお金も無いんだから、この辺で間に合わせるしかないわね」
うん、大きめのハンカチなら体を隠すには十分だと思うよ。
「足りるでしょうか……」
「……裾でも切り取っておけば?」
……確かに、縦にも横にも私より遥かに大きなエクセルさんだとちょっと厳しいかもしれないな。
というかエクセルさん、服と同じでハンカチも可愛いな。
手が大きいせいで持ってるものが小さく見えるのもあるけどさ。




