2616:知らない言語で通じ合おう。
「ぴゃ?」
「おや」
あ、ぴーちゃんがお姉さんの肩に近付いて羽でぽふぽふし始めた。
すごいなーって顔してるけど、いきなり何をやってるんだあの子は。
「こらこら、勝手に人に触っちゃダメだよ」
「構いませんよー。自慢の三角筋ですから、遠慮なく堪能してくださいね」
「ぴぅ……」
おおう、お姉さんがお腹の前で手を組んで力を込めたのか、肩が一回り大きくなった様に見える……
すごいなーって顔で寄って行ったぴーちゃんも、凄すぎて若干引き気味に……なってないな。
あれは単純に感心してる顔だ。
ただお姉さん、うちの子に優しく対応してくれるのは嬉しいんだけどさ。
ボディビルダー的なポージングまでされると余計に可愛らしい服装や顔とのギャップがすっごいんだよ。
いや別に何も悪くはないんだけどね。
ただ私が勝手に困惑してるだけだから。
「むむっ、良い筋肉の気配がします」
……何そのセンサー。
多分リアンの事なんだろうけど、よくあのサイズ差で気付いたな。
「どうぞどうぞ、直接お確かめください」
あ、リアンとラキがぴーちゃんの頭の上からお姉さんの肩に飛び降りてる。
元々は移動中だったけど私に動く気配が無いから、今は大丈夫だって判断したんだろうな。
「おお、素晴らしいですね。私も負けていられません」
……よく解らないけど、筋肉同士で何か通じ合ってる。
リアンは外見だけだと背が高いだけでムキムキには見えないから、見た目のボリューム感はお姉さんの方が圧倒的な筈だけど。
内に秘めた力とかそういう事を讃えてるんだろうか。




