2605:追加で飾られよう。
さて、なんか気付いたらぴーちゃんもこっちに合流してきてたし、お暇するとしようかな。
フミさんが戻ってくるのを待っててもどうせ返せないというか、油断すると更に豪華にされかねないし。
「よ、妖精さん……」
「はい?」
移動しようかと思ったらかなり大人しそうなお姉さんに声をかけられた。
長めの前髪で顔が隠れ気味になってて、いかにもインドア派ですって感じの雰囲気の人だな。
「帰る前に、ちょっとだけ良いですか……?」
「はい、良いですよー」
別に用事が有って出て行く訳じゃないから、何か私達に用が有るなら別にちょっとじゃなくても構わないからね。
まぁおかしな事だったら逃げるけど。
……いや、大体逃げられずに付き合ってるな。
「その、ちょっと、思い付きで見てみたくなって……」
「ん? 何をですか?」
「これ、一度、つけてみてくれるだけで良いので…… あ、ねこさんに、です、はい」
あぁ、みけちゃんが飾られてるのに便乗してみたくなったのかな?
押し付けようとはしてないみたいだし、そのくらいならいくらでも構わないかな。
「みけちゃんが良いなら構いませんよ。あ、良いみたいですね」
「あ、ありがとうございます……」
ご自由にとばかりにお姉さんの前に歩いて行ったみけちゃんに、深々とお辞儀をしてるなぁ。
というかそもそも同じプレイヤーなんだろうし、そんなに下手に出なくても良いと思うんだけどね。
まぁ多分、【妖精】相手だからとかじゃなくて、ただ単にそういう性格の人ってだけなんだろうけど。
「ええと、こちらなんですけど……」
直接みけちゃんに渡してるけど、私の位置からだとよく見えないな。
服とかの大きめな品ではなさそうだけど、何だろう。
「その、すみません……」
……なんで謝ってるんだ?
みけちゃんはご機嫌なのが伝わってくるから、気に入らないって顔をした訳じゃなさそうだけど。




