2564:気は遣わないでもらおう。
「ほら、元気の良い連中は放っといて先に食べちまいな」
「あ、はーい。ありがとうございますー」
ドタバタしてるのを眺めてる間に苺のカットが終わってた。
いつもながら器用に細かく切ってくれてるなぁ。
おや、ラキが早速飛び掛かろうとしてなぜかリアンに止められてる。
元気過ぎて脚とかを汚さない様にしましょうねって感じかな。
……いや、私より先に食べ始めちゃダメですよって注意されてるのかな?
こっちを尊重してくれるのは嬉しいけど、私は別に構わないからその辺はあんまり気にしなくて良いんだよ。
それじゃこっちも…… うん、そうだよね。
私は大人しく口を開けて待ってれば良いんだよね。
これがシルクのお仕事だからしょうがないんだ。
私がなまけものだとか甘えん坊だとかじゃないんだ。
だから並んでる皆は可愛い生き物を見る様な目で見なくて良いんだよ。
「ちょいちょい」
ん?
あ、簡易更衣室から狐さんの手が生えてる。
「どしたの?」
「これどうすんの」
「あー」
あぁ、何か着方が分からない所でも有ったのかな。
無駄にしっかり作ってありそうだもんなぁ。




