2544:争いは控えてもらおう。
「分かった分かった、妖精さんが一番でねこちゃんが二番な」
あ、折れてあげてる。
私としては別に猫好きさんにとっては猫が一番で何の問題も無いというか、むしろ私を上に持って行かないでほしいところなんだけど。
「普段からは想像出来ねーくらい優しいじゃん」
「あたりめーだろ。見てみろよこのかわいいねこちゃんをよ」
「いやさっきから見てるよ。どんだけキャラ崩壊していくんだお前は」
あ、やっぱり普段は割と怖い人なんだ。
いやよく知らないのにやっぱりとか言うのが失礼なのは身に染みてるんだけどさ。
私は見た目がヤバいだけで割と安全ないきものなんだよ。
「つーかそもそも当のねこちゃんが困惑してんじゃねーか」
うん、急にぐいぐい来られてどうしましょうって顔してるな。
怖いとか嫌だとかじゃないみたいだから大丈夫だとは思うけど。
というかみけちゃん、今日はやたらモテる日だな。
まぁ可愛いから仕方ないけど。
「ぬぅ…… おねーさんはこわくないぞー?」
「いや怖ぇだろ。鏡とか見た事無いのか? 貸してやろうか?」
「叩き割るぞ」
……何なのその魔法とか反射するんじゃないかってくらいに綺麗な盾は。
戦闘に使うのが勿体なくなりそうなくらいぴっかぴかだな。
「お? 悪い悪い、ケンカは良くないよな」
あ、シルクが「めっ」て注意しに行ってる。
本当にケンカするとは思ってないだろうし、仲良くしようねって事かな。
「おめーも優しいじゃねぇか」
「仕方ねーだろ……」
うん、二重の意味でちっちゃい子だしあんまり強くは出られないよね。
特に今の役場前で人の目が有る状況だと余計にね。




