2532:一緒に運んでもらおう。
「それじゃ、元に戻せば良いですかね」
「ちょっと待ってほしい」
「あ、はい」
訓練は終わったって事でサフィさんにかけてる魔法を解除しようと思ったら、なにやら本人からストップがかかった。
「よいしょ」
「……シルク、回収よろしく」
「やだーぬくいー」
まだ何かやる事が有るのかと思ったら、またしてもリアンの修道服の中に立てこもり始めたので回収要員を向かわせる。
実際暖かくはあるだろうけど、そこはこたつでもサフィさんのおうちでもありません。
あ、リアンごと手に乗せていくんだ。
ギリギリまでくっついていさせてあげようっていう優しさなのか、単にひっぺがすのが面倒だっただけなのか。
別に必要無いんだろうけど万一の事故が怖いので、解除の前にある程度の高さまで連れて行ってもらっておく。
【妖精】が死んだ時に勝手に解除されたりするんだから、普通に地上で戻しても問題無いとは思うけど。
「たかい」
リアンの裾からもそもそ出てきて、シルクの指先に伏せて下を見るサフィさん。
高いって言っても実際は自分の背の高さくらいなんだけど、流石に百倍近いスケールの差が有るとかなりの高さに感じるだろうね。
「あとやわらかい」
「……戻しますよ?」
「ん」
伏せたついでにシルクの指にすりすりするのはどうかと思うんだ。
まぁ本人は「ちっこいのがじゃれついてて可愛い」くらいにしか感じてないみたいだから、別に良いけどさ。
というか二十倍近いサイズの差が有るんだから、流石にいくらシルクのやわらかおててとはいえそこまで柔らかくはないんじゃないかな?




