2518:自分からハマりに行こう。
おや、リアンの方もなんだか少し嬉しそうだ。
まぁ可愛い可愛いって撫でてた小さい子を、訓練とはいえいじめるみたいにならなくて済むんだから当然なのかな。
……やるとなったらなったで、直前まで可愛がってた相手でも特に何の感情も無く淡々と仕留めていくんだろうけど。
「ま、気に入られてるみたいだから頑張れよ」
「んねぅ?」
ジョージさんのなんだか裏の有りそうな言葉に、謎の音を伴う疑問符で返すサフィさん。
なんだその微妙に発音しづらそうな音は。
「その張り切り具合なら、一通り身に付くまで熱心に根気良く教えてくれるだろうよ」
「……ぉぅー」
おや、乗り切ったぞって顔してたサフィさんがまたうなだれてしまった。
「つーわけで出来るだけで構わんが、これから訓練に来る時にはなるべく連れてきてやってくれるか?」
「え? ……あー、はい。なるほど、それでか……」
なんでボコボコにされずに済んだサフィさんがしょんぼりしたのかと思ったら、今回酷い目に遭って終わりだった筈の話がこれからリアンに認めてもらえる様になるまで続けていく話に変わったからか。
「こんな顔されると嫌って言えない……」
からかいとか悪意とかのマイナス要素が一切無い、とても嬉しそうな「一緒に頑張りましょう」って微笑みで見つめられて大弱りのサフィさん。
お昼寝大好きサボり魔さんとしては中々に辛いだろうけど、半分は自滅みたいなものだから頑張ってもらうしかないな。
私が協力しないって言えばそれで終わるけど、リアンが乗り気な以上は止める理由も無いからなぁ。




