2514:時間稼ぎはやめておこう。
「たかーい」
サフィさんをちょこんと肩に座らせて、しずしずとリングに向かっていくリアン。
ちょっと楽しんでそうなセリフだけど、単に暴れても無駄だって諦めてるだけなんだろうな。
「あー…… いややめとこ」
「はい?」
なんかこっちに提案しようとしてやめたっぽい。
「人形とやって時間を稼ぐのは後が怖い」
「まぁ私の操作じゃイジメみたいにしかならないでしょうしね……」
サフィさんの訓練には全くならないし、下手に私に勝っちゃうとリアンが……というかむしろそうなる前に、リングサイドからのプレッシャーで接待プレイを強要される羽目になるかもしれないな。
すとんと肩から直接リングインさせられて、そのまま小走りで反対側のロープに走って行くサフィさん。
諦めてやる気を出したのかと思ったら、単に後ろからロープを超えて来るリアンに蹴られない様に逃げただけっぽいな。
ロープを少し押し下げてからその上に座って、両脚を上げてくるりと反転。
あれなら脚を開かずにロープを超えられるからなのかな?
「絶望感しかない」
……まぁうん、階級差にも限度があるだろって言いたくなる様なサイズの違いだもんね。
身長差も凄いし、体重の方もサフィさんが三人居てもまだリアンの方が上なんじゃなかろうか。




