2511:相手の懐に潜り込もう。
おや?
何やらまたリアンが祈り始めたし、ちょっと様子を見てみよう。
「おー?」
おぉ、よく解らないけどサフィさんが治療されてる。
お祈りで人を回復させるのは、なんだか本物の聖職者っぽいな。
……いや祈ってる対象がなんかおかしい気がするだけで、一応ちゃんと本物なんだろうけどさ。
「ありがと……目の前に壁……」
うん、こうして向かい合って立ってるのを見るとすっごい身長差だな。
あれ近過ぎてお互いに顔見えてないというか、リアンの視界にサフィさん居ないでしょ。
視界良好な私と違って、かなりの範囲の足下が見えてないだろうし。
サフィさんがかなり小さい方なのも相まって、あのでっかいのの下に立ったまますっぽり……
「お邪魔します」
……収まっちゃいそうだなとか思ってたら、押し上げられてる修道服の空間にもそもそ侵入して行った。
同性だからって何やってんだあの人。
流石のリアンも困惑……してないな。
小さい子がよく潜り込んだりしてて慣れっこだったりするんだろうか。
「ぬくいけど頭上の圧迫感すごい」
「そうでしょうね……」
いやあの人本当に何をやってるんだ。
あの揺れ方、どう見ても真下から背伸びして頭突きというか頭に乗せてるでしょ。
それでもにっこり微笑んで動じてないリアンもリアンで、どれだけ優しいんだって話なんだけど。
あ、服の上からそっと手を添えて背中をなでなでし始めた。




