2458:反応が遅れよう。
「この抱っこの仕方、左右にぶらぶらしたくなるよね」
「多分怒られるんじゃないかな」
やりたくなる気持ちは解るけど、全体重が両脇にかかってる状態で変に動かされるのは、けっこう負担になりそうだしさ。
まぁ普通のねこちゃんでも大抵は「やめーや」って顔するくらいだし、召喚獣ならなおの事大した問題じゃないのかもしれないけど。
あぁ、でも体が強くても重心が普通の子とは違うっていう問題が有るのか。
前脚の根元を中心に揺らされたら、頭の上のリアンが大変な目に遭いそうだ。
まぁそれも別に大した実害は無さそうだけどね。
門を飛び越えたりテーブルから跳び降りたりする時の方がよっぽど激しいだろうし。
「やー、よろしくよろしくー」
いつも通りやたらとフレンドリーに距離を詰めていくエリちゃん。
私も見習いたいところだけど、現実でやっちゃうとえらい事になるんだよね。
……ところでリアンの横でなんかふんぞり返ってるラキはなんなんだろう。
多分気にしてもしょうがないんだろうけど、そんなに言うならよろしくしてやろうじゃないかーってところかな?
「しかしまー、綺麗な色してるねぇ」
「その服だと白黒のイメージが強くて、なんか色物っぽく見えちゃうけどね」
「色物だもんね」
「……いやそういう意味じゃなくてね? 一瞬理解が遅れたよ」
確かに白でも生成りでもない、「色物」の服だけどさ。
唐突に差し込んで来るからツッコミに時間がかかっちゃったじゃないの。
……まぁ実際のところ、私が言った意味でも色物なのは確かなんだけどね。
リアンに限らずというか、喚んでる私まで含めてほぼ全員だけど。




