2316:小さい子にお説教されよう。
まぁお暇なのは事実なので、構うというかお話するのは何も問題ないな。
いや、クリスは出来るだけ早く帰りたいだろうから、何もって訳じゃないかもしれないけど。
「怖がらなくても大丈夫よ? 見ての通り、お姉さん可愛い子大好きだから」
「見えねっすよ。こう見えてもの間違いじゃふっ」
「お黙り」
ちょっと逃げ腰のシルクにおいでおいでと手招きするむつみさんに茶々を入れて、さっきより強めのローキックを叩きこまれるレンジャーさん。
流石に今のは怒られても仕方ないと思うよ。
「あ、はい、すんません」
ん?
……さっきまでシルクにくっついてた筈のラキちゃんが、いつの間にか地面にぐったりしてるレンジャーさんの顔の前で「そういう事言っちゃだめだよー」って注意してる。
いや、何も言わないというか言えないから、なんとなくそんな感じだろうなってだけなんだけどさ。
というかレンジャーさん、ラキ相手にはえらく素直……というかむつみさんに反抗的なだけか。
反抗的というかお互いに言い合ってるっぽいから、ケンカするタイプの仲良しなんだな。
言い合うっていうか片方は割と頻繁に手が出てる気もするけど。
「あらあら、可愛い猫ちゃんねぇ」
あ、みけちゃんがロックオンされた。
いや、別に悪い事ではないんだけどさ。
普通に言葉通り、可愛いなぁって近づいてるだけだし。
だからみけちゃん、私はどうなってもクリスだけは守りますみたいな覚悟は必要無いんだよ。
その人雰囲気は怖いけど基本的には優しいお姉さんだから。




