2307:戻って来るついでに回収しよう。
あ、シルクが受け取って戻って来た。
アリア様がここに残るんだったら、コレットさんにくっついたままって訳にいかないもんね。
「おかえり。あんまり…… あ、楽しかったの? うん、良かったね」
勝手に人の体にくっついて遊んじゃだめだよーって言おうと思ったら、とても元気に楽しかったですと報告されてしまった。
それで注意を中断してるあたり、我ながら甘過ぎる気がするな。
あ、シルクに反省しなさいって指でつっつかれてる。
私が言い損ねたのを代行してくれてるのか、単に同じ事を思ってただけなのか。
まぁそこはどっちでも良いんだけど。
あぁ、当の天使さんに何も言ってなかった。
「うちの子がどうもすみません」
「良いんだよ。しっかり許可も、取りに来たしね」
「あ、そこはちゃんとしてたんですね」
それはそれでいつの間にとは思うけど、どうやらちゃんとお話しした上で潜り込んでたらしい。
お話って言ってもラキは喋らないし、天使さんも口では何も言ってなかったっぽいから、言葉での会話ではないけど。
……つっついてたシルクが『そうなの?』って感じの顔をして、ラキが『えらいでしょー』みたいな顔でふふーんと胸を張って、調子に乗るなと再度むにむにつっつかれてる。
うん、まぁ仲が良さげで微笑ましいかな。




