2246:怒りを収めよう。
「うん、緩んだりもしてないし大丈夫そうだね」
天使さんに繋いだロープを確認して、うんうんと頷く保護者さん。
「もうすこし、やさしくやっても良かったじゃない」
「いやぁ、ちゃんとテストしておかないと本番で抜けて行ったら大変でしょ?」
それは確かに。
ここなら外れちゃっても壁にぶつかるだけで済むもんね。
「まぁ本当は引っ張ってみるだけで十分なんだけどね」
「やっぱりかー! そんな事だと思ったよ!」
……うん、まぁそうだろうね。
繋いでから天使さんの背中を押さえて、反対の手でロープを引いてみれば良いだけだもんね。
普通ならそれじゃ不十分だろうけど、浮いてる天使さんの体重は無いに等しい扱いな訳だし。
むきーと怒る天使さんを、羽を押さえつつ宥める保護者さん。
「はいはいごめんごめん。こっちに羽を閉じるのは危ないからやめようね」
「当たっても、大した力は…… あ、そっか。ごめん、ありがとう」
うん、保護者さんやアリア様達は大丈夫だけど、私とカトリーヌさんは多分アウトだろうからね。
もしかしたら天使さんが軽すぎるのともふもふクッションで大丈夫かもしれないけど、ぶつからないに越したことは無いだろうし。
まぁ万一気付かずにやらかしちゃってたとしても、さりげなくジェイさんが壁になる位置に立っててくれてたから大丈夫だったっぽいけどね。
あとコレットさんやジョージさんも居るし、そうそう事故は起こらないだろう。
いや、まぁそういう予兆を察して羽が当たらない位置に避難しておけって話ではあるんだけど。
でも範囲が広すぎてなかなか難しい気もするな。
下の羽は挟んでこないって事は、回避するなら床に下りるのが良いのかな?




