2235:用途を訊いてみよう。
「ふーむ」
「おぉぅ……」
いや、なんでいきなりモフりを再開したのさアリア様。
天使さんがちょっとビクッてしちゃってるじゃないか。
というか普通の羽じゃないって解ってからも、何の躊躇もなく突っ込んでいくのは流石だな……
まぁ確かにさっきまで触ってて問題無かったんだから、天使さん側が何かしない限り害は無いんだろうけどさ。
「おぉ、なるほど」
あぁ、もふもふ羽毛をかき分けて地肌を見たかったのか。
納得するのは良いんだけど、一応言ってからの方が良かったんじゃないかな。
というか見て解る様なものなんだろうか。
まぁアリア様は色々詳しいんだろうし、解るからやって……るかはどうなんだろう。
散々ごそごそしておいて笑顔で「うむ、わからん!」とか言うのも、それはそれでアリア様っぽくはある気もするし。
どっちにしろ少なくとも今回は解ったみたいだから、天使さんも探られ損にはならなかったらしい。
「して、この羽はどの様に使うのだ?」
「簡単な使い方ですと、こうして挟み込む形になりますねぇ」
こんな感じに、と両手をぽふんと合わせるジェイさん。
まぁあれだけ大きい羽なら、正面に居る相手も簡単に挟めるだろうなぁ。
「気持ち良さそうだな」
「うふふ。力を入れなければ天国かもしれませんねぇ」
「力を入れるとどうなる?」
「閉じる力は相当なものですので、並大抵の力では為すすべなく挟み潰されますねぇ。それと内部の羽は硬質化出来ますので、こんな風にして挽肉の出来上がりですねぇ」
合わせた手をこすり合わせるジェイさん。
いや、うふふふじゃないんだよ。
相変わらずなんて生き物を生成してるんだ、この人は。
「ちなみに開く力の方は最低限しかありませんので、一般の方の力でも開く前でしたら簡単に抑え込めます」
「ふむ」
……ワニか何かな?




