1779:迂闊に触って絡まれよう。
「っつーか、よりによってそんなもん使わんでも自分で作れるだろうが」
「言われてみればそうですね」
まったく……って顔をしてぼやきつつ、ゴム紐で毛玉をつないだ竿を使ってすあまちゃんをじゃらすジョージさん。
興味無いって顔してる割に、妙に手馴れてるな。
確かに毛玉はともかくとしても、ボールもゴムも自前で用意出来るんだよね。
ロシェさんはまだ糸は出せないかもしれないけど、言ってくれればこっちで用意するし。
「おいこら、蹴るな蹴るな」
テンションの上がったすあまちゃん、ジョージさんの足に纏わりついて後ろ足でねこきっくをお見舞いしてる。
怒ってないから良いものの、その人かなり偉い人だぞ。
「あー、うちの子がすみません」
「別に痛かねーから良いけどよ。……いや、だからって蹴っても良いとは言ってねぇっての」
ロシェさんの謝罪で一旦止まってたすあまちゃん、ジョージさんの言葉で再起動して首元を摘ままれた。
なんで追加で攻撃してるんだ、あの子は。
「……ある意味大物だな、こいつ」
「反省の色は見えませんね……」
「いやもう、ほんとに申し訳ないです」
ぷらぷらぶら下げられてるすあまちゃん、満足げな顔して前足で顔を洗ってる。
今は形だけでもごめんなさいってポーズを見せるところだと思うんだ。
「ほれ、そっちで遊んでな」
ぶら下げたすあまちゃんを前後に揺らして軽く勢いを付けてから、ぽーんと山なりに放り投げるジョージさん。
大人の猫ちゃんと違ってまだまだ小さくて軽いから、あんな扱いされても首の皮は痛くないのかな。
現実でやるのは流石に危なそうだけど、あんな小っちゃい子でもちゃんとした召喚獣だしね。
空中でくるんと姿勢を整えて、しゅたっと着地……
「おい、戻ってくんじゃねぇよ」
したと思ったら、ダッシュでジョージさんの所に帰って来た。
あ、今度は普通に両手で胴体を持ってぽーんと投げ返してる。
「そういう遊びじゃねぇぞ」
「思いっきり楽しまれてますね」
またしても元気に戻って来て、またしても放り投げられるすあまちゃん。
これ、ジョージさんが逃げるかすあまちゃんが飽きるまで無限ループなのでは?




