174:塗り込もう。
ソニアさんの唇からカトリーヌさんを引き抜き、横向きに持ち変えて口が開くのを待つシルク。
あぁ、ソニアさんそんな急いでもぐもぐしなくてもいいのに。
でも顔はとても幸せそうだな。そんなに美味しいのか?
んぐんぐこっくりと飲み込み、ふぅと一息。それから再度、くぱっと口を開いて次のご飯を待つソニアさん。
うーん、成人してるとは思えない可愛らしさだな。
食べてる物を気にしなければだけど。
続けて腕も一本ずつ同じように「処理」して、下拵え完了。
急ぐ必要のない最後の一本をじっくりと味わいつつ、満足そうに目を細めて「んふー……」って言ってるソニアさんから離れ、ライカさんの頭上へとカトリーヌさんを運ぶ。
「なんか…… 罪悪感が凄いんだけど……」
「うむ…… まぁ本人は悦んでいる様だから、気にせずとも良いのではないかな……」
あー、目の前で処理を進められたライカさんが引いてる。
ただでさえ酷い光景なのに、やってるのが二人とも小さい女の子だから余計になぁ。
いや片方は私より年上だけどさ。
でも多分、これからもっと酷い光景が頭上で繰り広げられると思いますよ。
カトリーヌさんの腰を鷲掴みにしてぶら下げた状態から、両手でお腹の辺りを持って正面に向ける様に持ち直すシルク。
ライカさんの角の後ろ側に回り、自分の顔よりも高い位置に持ち上げた。
あれ、その角度だとお腹刺せなくない?
……あれ、ちょっと待ってそこお尻
「うっわぁ……」
うん…… 流石のエリちゃんも、自分のお尻を押さえてドン引きだ。
うわ、あれ骨盤真っ二つだろ……
あれだけでショック死してもおかしくないぞ。
いや、カトリーヌさんがそんなヤワな訳ないけどさ。
ゆっくりと胴体の最下部が角に押し広げられていき、少しだけ残っていた脚の付け根同士がどんどん離れていく。
不思議とあんまり出血してないな。
なんだろ、角が栓になってるのか?
ずぶずぶとゆっくりカトリーヌさんを円錐状に広げていき、一瞬くいっと上体を傾けさせて更に押し込んでいく。
今の動きは何だろう? ……あぁ、心臓に刺さるのを避けたのかな?
その方が長持ちしそうだし。
あ、止まった。先端が喉の辺りまで来てるっぽい。
ここからどうするんだろ?
ん、カトリーヌさんのお腹を包んだ両手に少し力が……
うわ、強めに揉み始めた。
角に中身を馴染ませていこうとしてるのか。
右胸も肋骨を気にせずにグニャグニャにしていくけど、左胸は避けてる。
やっぱり心臓だけは避けていくんだな。
でも太い血管もだいぶやられてるだろうから、そんなに変わらないんじゃないかなぁ?
器用に皮を破らない様に揉んで柔らかくしたカトリーヌさんを、今度はしっかりと持って回したり上下に動かしたりして角に塗り込んでいく。
あー、やっぱり栓になってたっぽいな。
抜いていく動きの時に、ドロッと色々混ざって出て来た。
……なんで私、これ見て大丈夫なんだろうな……
慣れって本当に怖い。
少しの間クチュクチュと上下に擦りつけていたシルクがゆっくりとカトリーヌさんを引き抜いて、こぼれない様に逆さに持ってぶら下げる。
そろそろ限界だって判断したかな?
ていうかそのゴミ袋みたいな持ち方やめてあげよ?
抜き差しする時にあふれて角に垂れていたモノを、空いた右手で塗りたくっていく。
薄く一面に塗って十分だと判断したらしく、根元に垂れて溜まっていた余りを拾ってカトリーヌさんにポイポイ入れていく。
いや、だからゴミ袋扱いはやめてあげようよ。
っていうか今更ながら【妖精】の体の伸縮性凄いな。
私が膨らんだ時もそうだったけど、内側から膨らむ時はよく伸びるのか?
謎ばっかりだな、この体は。
……伸びたら伸びっぱなしだから、伸縮性って言うのはちょっと違うかな?
いや、そんなのは別にどうでも良いか。
しっかし本当に死なないな、この妖精。
なんなんだ。何か謎の隠しスキルでも習得してるのか?
このゲームだとこの人じゃないと取れない様な、異常な習得条件のスキルが用意されてる可能性が捨てきれないからなぁ……
……吐いたらスキル取れたりしたしな。
一通り塊を拾い終えたシルクは、袋の口を閉じるような持ち方に変えて再度ソニアさんの前に戻る。
うーん、あれを持って来られて嬉しそうな顔になるって、ソニアさんも染まりきってるなぁ。
さっき会ったばっかりなのに早すぎないか?
待ち遠しそうに少し上を向いて口を開けたソニアさんに近づき、自分の舌を少し出して指さすシルク。
それを見て突き出されたソニアさんの舌先に、先程塗るのに使った右手を擦り付けた。
なるべく全部上げようとしてるのかもしれないけど、人の体で手を拭くのはどうかと思うよ。
それが終わると閉じる様に持っていた左手を舌の上で放し、両肩を持って腰だった部分を舌に乗せた。
舌を少し引き、おへその辺りをはむっと咥えてチュルッと軽く吸いこむソニアさん。
うへぇ…… 骨が残ってる左胸の辺り以外が、空気が抜けた風船みたいになった……
ん? 幸せそうな顔になってたソニアさんが、少し驚いた顔になって手を動かし始めた。
何かパネルを開いてるけど…… わざわざこのタイミングで開き始めるって事はメッセージが届いたのかな?
パネルを手に持ち、シルクに見える角度に向ける。
こっちからも見えるな。……カトリーヌさんからか。
口は塞がれてるし、そもそも肺も喉も駄目だから声なんて出せないからな。
ていうか何だ、「あたま かんで」って。
いや何が言いたいかは解るけどさ。
わざわざ見せられたことから「やってあげて」って事だと判断したシルクが、緩めた唇からカトリーヌさんの皮を引きずり出し、くるっと回して仰向けに前歯の上に頭を乗せた。
少し位置を奥寄りにして手前に落ちない様にしつつ、お腹の皮を持って奥に行かない様に支えてるな。
仰向けにしたのは迫ってくる歯を見せてあげようって配慮か。
良い子良い子……なのか?
うん、カトリーヌさんの望みには沿ってるだろうって事でまぁ……
支えているシルクが動きに付いてこれるように、ゆっくりと口を閉じていくソニアさん。
さっさと唇で挟んでしまわないのは、カトリーヌさんから歯をよく見える様にするためだろうか?
流石にずっと唇だけ開いたままにするのは辛いのか、胸の辺りをはむっと挟んだ。
支えが必要なくなったので、仕事を終えたシルクが手を離してこちらに戻ってくる。
ソニアさんの唾液の付いた右手を洗ってあげようかと思ったら、いつの間にかモニカさんが小鉢に水を入れて待機してくれていた。
うん、用意してくれているならその方がありがたい。
わざわざ【魔力武具】で器を作らなくて良いしね。
シルクは笑顔で頭を下げちゃぷちゃぷと手を洗って、モニカさんの差し出すタオルで手を拭いた。
モニカさんはそれらを持って下がっていき…… あ、角を拭いていたコレットさんに横から取り上げられて崩れ落ちた。
……うーむ。あれをどうするつもりだったんだ、あの人は……




