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黒き拳帝と剣帝と剣精  作者: 金時
第2章 王都ウトガルド編
5/32

第5話 出会い1

一先ず投稿はここまでにします。


まぁ、読者様の反応が悪くても今書き終わっている分は全て投稿しますが。






忙しい為連続投稿はできません。あしからず。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




厚く目の前を遮っていた樹木が次第に薄くなり陽光による光がよく射し込むようになってきている。もうすぐで森の外。そして、ついに二人は初めて森の外に出た。


「ここが、森の外・・・か」


「すっごーい。なんにも無いよ‼」


そう、なんにもないよ。二人は今森から抜け出して初めて森の中以外の景色を見ている。木もなければ川も無いし、人が作った街道も何も無い。黄色く乾燥した大地の上に申し訳程度の草や石が有るだけだ。人が住むには厳しい環境だ。また、旅人にも・・・。


「兎に角歩こう、その内人に出会えるさ」


「そうだよ、立ち止まっててもしょうがないよ!歩こう」


二人は森から出てきた方向にそのまま進むことにした。幸い森の中にいた時に水と食糧を充分補給していたから無駄に使わなければ五日はもつはずだ。最悪、一度森に戻るか、ど派手な花火を上げて人に気づかせるというてもある。


だが、どうやらそのどちらもする必要が無さそうだ。遠くから馬の蹄の音が聞こえてきた。進行方向は此方に真っ直ぐ進んで来ており二人の存在に気づいていると思われる。


「どうやら、さっそく人に会えそうだな」


「やった‼お話しいっぱい聞きたいよ‼」


「・・・あまり、期待できそうではないがな」


「?どうしたの?」


初めはかなり遠く距離があったが、二人が会話をしている間に目前にまで来ていた。二人の前に二十頭近くの馬が止まり馬上には親切そうな騎士が・・・なんて事は無く、如何にも手入れがされていない装備と髭を全く剃らずに伸ばし放題な顔。手には何かを斬った後なのか血で汚れた剣を持った柄の悪い男ばかりの集団だった。中には木の枝、いや杖か?を持っている奴もいた。そして、縄できつく絞められソリのような物の上に乗せられた数人の女性達。


「おい本当にこんな所に人がいたぞ。それもすっげー美少女じゃねぇか‼」


先頭にいた男がマリィを見て歓喜の声を上げる。その後ろにいた男達も同様だ。口笛を吹いている者や、下品な言葉を大声で話しているものもいる。


「ヒュ~。どっかの貴族様か、王女様なんじゃねーか?」


「ひゃーたまんねーなーおい‼今日は大収穫じゃねーか‼」


「隣の女もなかなか美人じゃね~か」


「バーカ、よく見ろあれは男だ」


「ちっ、男かよ!もったいねぇ」


「もしかしたら奴も貴族様か、王子様かもしれねぇな、こりゃたんまり金をぶんどれそうだな!ひゃははー」


男達のイヤらしい視線にトールの後ろに隠れるマリィ。


トールといえば、男達を気にした感じはせずにいつもの落ち着いた表情をしていた。


「お前達は何をしにここまで来たんだ?」


「ひゃはは、バカだなこいつ、まだ状況を理解してないぜ」


「俺達はここらを縄張りにしている盗賊だよ!お前達は俺達の獲物、分かったかボウズ?俺様は親切だろうぎゃははは」


その言葉に男達が笑いに包まれる。だれもが自分達の優位を疑わない。それも当然と言えば当然だ。一人は武器を何も持っていない盲目な男。もう一人も全く武器を持っていない女。対する盗賊達は十八人、しかも全員が武器を装備し、魔法使いもいるのだ。これで優位を疑う人間などいるはずが無い。


「ヘェ〜、ということは俺達の敵というわけだな」


が、何も武器を持たない盲目の男の声で盗賊達の優位性でもっていた余裕を粉々に打ち砕かれた。


その場にいる全ての人間に圧倒的なまでの存在感と威圧感が放たれる。まるでドラゴンを目の当たりにしている様な感じだ。とても人間が、野盗が敵う相手ではない。


男達の間から余裕な空気が微塵も無くなり、あちこちから悲鳴が聞こえる。


「な、なな何だよあいつ⁉」


「ひ、ひひひ、ひ」


「あ、あああ、ば化けもんだ!俺達の敵う相手じゃねー!」


中には泡を吹いて気絶している者がでて来る始末。恐慌状態に陥り統率がとれる状況じゃなくなっていた。


だが、野盗のボスと思われる男は声を張り上げ仲間を叱咤し、なんとかこの状況を落ち着けようと場の統率につとめていた。今も続く威圧感の中で仲間の統率をする余裕を見せている辺りなかなか優秀な者なのかもしれない。


が、場の空気が更に重くなり野盗のボスも仲間が全員倒れたのを見て最後に意識を失って倒れた。


「・・・弱いな、氣をぶつけただけでこの様か」


「うう、あの人達の視線が気持ち悪かったよ~。」


マリィは男達の視線が相当気持ち悪かったのか未だにトールの服を掴み後ろに隠れていた。仔犬の様に震えるマリィを優しく抱きしめてあげる。頭を、背中を撫で落ちつかせる。


「大丈夫だ、マリィには手をださせない。俺が護る」


「・・・トール」


トールの言葉を聞いて瞳がウルウルと潤む。


「大好き‼‼」


まさに感無量。マリィは今の気持ちを伝える為に全力で抱きつく。トールも優しく抱き直す。永遠の別れ離れの二人が再開したかの様な熱い抱擁だった。






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