出会い
桜が満開に咲き春の風が吹く頃。彼女はやってきた。
中2の4月、転入生としてやってきた。
彼女は普通の子に見えた・・・ん?普通よりちょっと下かな。
なんか暗いイメージが僕にはあった。でもそう思ったのは俺だけだった。
俺にしか伝わってこなかったのだろう。彼女の過去は俺にしか知らないから。
俺が彼女に聞いちゃったから・・・。
今思うと聞いてよかったのか・・・聞いてはいけなかったのか・・。
でもこれは他の誰かに言ってはいけない。
俺と彼女の約束だから・・・。
「大和おはよう!」
「おぉ、おはよう。」
この3人の男俺の友達。いつも俺と一緒にいる仲でいつもウザったく話かけてくるんだけど
いざとなると頼りになる3人。右から紹介します。
大野徹平、植松雄太、川口良介
大野徹平は親が医者で将来期待されているけど本人は医者になるなんて
全く考えていない。だけどなぜか保健委員をやっている。
植松雄太は俺たち4人組の中で1番の目立ちたがり屋。
4人兄弟の長男で家では兄弟想いの優しいお兄ちゃんをしているけど
学校では優しいのは女子生徒の可愛い子だけ。あとは優しいとはいえない。
川口良介は家がラーメン屋のため毎日働かされている。そのため勉強もあまりしないため
成績は下がる一方。これは俺だけが知っているんだけど・・・。
何で知ったかは聞かないでね。
では最後に俺の紹介をします。
俺は長谷川大和って言います。自分から言うのも変だけど4人の中で一番人気です。
俺のクラスの学級委員をやっています。
立候補じゃないよ。雄太が推薦しやがった。
学級委員って号令とかやるじゃん。あれ俺結構好きだから逆に嬉しい。
でも学級委員で集まるやつ、学年集会とかの打ち合わせとかは
1度も出たことありません。なので学級委員らしい仕事はしたことがありません。
ちなみに3人兄弟で弟と妹がいます。
「今日は転入生が来るんだってよ。」
「まじかよ?性別は?」
「決まってるじゃん、女の子。」
「盛り上がるじゃん。」
「でもさ、絶対その子は大和の方へ行っちゃうよなぁ。」
「そんなのどうか分かんないって。」
「何で?」
「俺にもタイプっていうのがあるから・・・。」
「あのさ、大和とその子が付き合うって話じゃなくって。」
「そうそう、その転入生が大和に惚れるって言ってるの。」
そんなわけないだろっ!そお転入生には好みのタイプっていうのがあると思うし
俺なんかに惚れても絶対無意味だと思う。だって学級委員のくせに学校に来ればほとんど寝てるよ。
そんなやつに誰が惚れるかよ・・・って思うんだけどそこがいいらしく・・・なんか自分が嫌になってきた。
なんかモテない子に対する嫌味に聞こえたらごめん。
「あのさ、思うんだけどその何でお前ら自分に自信を持たないの?」
「はぁ?」
俺の質問がおかしい質問だったらしく3人は一斉に声を揃えた。
「大和、何言っちゃってるの?」
「そうだよ。俺らに自身を持てなんて無意味だよ。」
「俺に惚れる子の方が無意味だと思うよ。」
「あのね・・・大和に惚れる子は・・・」
徹平が話してる途中で良介が止めた。俺に話しても無駄らしい。
俺はそんな話されても聞かないけど・・・。
校門の前で話してるなら教室で寝たいと俺は思い4人で教室に向かう途中に
隣のクラスの女3人組が現れた。その女とは星野梨佳、山口由希、戸練美奈子。
普通の女とは言えない3人組。梨佳がリーダー的存在で学級委員。
俺を学級委員に推薦しろって言ったのもこいつ。
ホントに嫌な奴だ。
「大和おはよう。今日帰りどこ行く?」
「どこも行かねぇよ。」
「あたしたち3人とプリクラ撮りに行こうよ〜。」
「行こうよ。大和の分ならおごるからさっ。」
また毎日の誘いが始まった。まじウザイ。何で俺のところにばっか来るんだよ。
俺より徹平の方がいいと思うけど・・・。将来も金には安心だけど。
「A組の3人組登場!」
「またもやプリクラ撮る大作戦!」
「お前らとプリクラなんか撮らねぇよ。おい、行くぞ。」
「そんじゃぁバイバイ。」
「俺らに用があったらB組来てね。」
「早く来い!」
「分かったから大和怒るなよ。」
怒りたくないけどあいつらがいるとなんか怒っちゃうんだよ。ムカツクしっ。
あ〜ぁ、あいつらを避けて通れる方法はないかな?
「おい、大和待てよ。」
「おい、大和、何でプリクラ撮りに行かないんだよ。」
「そうだよ、せっかく梨佳ちゃんたち誘ってくれてるんだよ。」
「あいつらとプリクラ撮るなら加藤っちと撮ったほうがマシだよ。」
「加藤はなだろっ。梨佳ちゃんかわいいし俺らと楽しく話してくれるし。」
「加藤のが断然マシだよ。梨佳と由希と戸練は俺目当てでお前らに話しかけてるのぐらい分かってるだろ?」
「・・・・・ま、まじかよ。」
おい、普通分かるだろう。ったくよ。どいつもこいつも・・・。
今の俺の一言で3人は落ち込んでしまったいたいだ。
でもすぐ立ち直るだろう。今日は転入生も来るんだし・・・。
教室に入った途端、クラスの目立つ3人組が来た。
「大和!おっはよう」
「なんだよ。」
「おはようって言わなきゃだめだよ。」
「分かったから抱きつくなよ!」
斉藤結衣、桜井南、小松亜矢の3人組はいつも毎朝くっついて来る。
いつも抱きついてくるのは小松亜矢。
「はい、抱きつかないからおはようって言って。」
「あぁ、おはよう。」
「大和大好き。」
抱きつかないって言ったくせにこうやって抱きつくんだよ。こいつらを何とか出来るのは誰もいないんだよ。
起きてると抱きつかれるから寝るようにしている。
「3人とも何かあったの?暗いよ。」
「・・・・・・・・・。」
「大和に殴られた?」
はっ?殴っていたら今頃停学だろ。中学だから退学はないだろう。
いや、でもあれは殴ったうちに入るのか?
言葉の殴りに・・・。
「大和、殴ったでしょ?」
「あぁ。」
「大和、停学になるよ!」
「はっ?なんだよ、それ。俺が言ってるのは、言葉で殴ったんだよ。」
ったくよ。先のこと考えて行動するよ。本気で今度こそ寝る。
もう相手にしない。
「大和、何言ったの?」
「・・・・・(-_-)zzz」
「大和寝ちゃったしっ。」
「かわいいっ」
「今度カメラもってきたいなっ。」
「うん、カメラ持ってこようよ。」
「カメラの前にあの3人。」
「あっ、そうだね・・・。」
結衣、南、亜矢は俺の席を去って雄太、良介、徹平のところへ行った。
「ねぇ、大和に何言われたの?」
「お前らも大和目当てで俺たちと仲良くしてるんだろ?」
「えっ?」
「はっきり言えよ。」
「そんなことは・・・。」
「どうなんだよ。」
「そんなことないよ。立派な男友達だよ。誰がそんなこと言ったの?」
「大和だよ。」
良介はさっきあったことを全て話した。梨佳、由希、戸練たちのことも。
「あたしたちはそんなこと思ってないよ。梨佳たちは大和目当てで良介たちと仲良くしてるというのはあると思うけど
あたしたちは絶対にそんなこと思ってないし思いたくない。」
「そうだよ。あたしたちは良介たちは大和と同じように接しているよ。梨佳たちと同じにしないでよ。」
「うん、梨佳たちのこと大和はすっごく理解出来てるってことだよね。それほど嫌いってことなのかな?」
結衣、南、亜矢の言葉でやっと元気が出たみたいだ。元気が出たところで先生が転入生の山下愛梨をつれてやってきた。
もちろん俺は寝てるよ。先生にいつも起こされる
主人公が大和で男の子なので男の子という立場から
書いてみてとても面白かったです。