表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理嫌いの嫁を家で待ちながら、無職夫は今日も夕食を作る~幸せ手抜き料理  作者: だい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/9

たらこの子和えその後と糠ニシン、胡瓜の叩き浅漬け

今日は、朝パートに出る嫁子に


「夕飯は、昨日作っておいた、たらこの子和えです!」


と宣言している。


昨日から、冷蔵庫で味を染み込ませているたらこの子和えは、とても美味しそう。

たらこの子和えが、三日三晩続いても喜ぶ私は早く食べたくてウズウズしている。


これは間違い無いオカズなので後は何にしようかなあ…

中華は違うかなぁ、トマトとかニンニクもなあ、なんか違うよな。


そういえば、最近は甘塩ばかりで物足りないからと、漬け直した糠ニシンを漬けてたな。

そうだ、あれを焼こう


そうなると糠ニシンとたらこの子和えと、あと一品欲しいなあ

何かあったかな?


私は冷蔵庫を見る。

フム、胡瓜あるな、サラダ代わりに叩き浅漬けでも作ろう。


早速支度にかかる。

たらこの子和えは冷蔵庫から出すだけだし、胡瓜も食べる直前に作るので大して手間はかからない。


では、何故こんなに早くから用意にかかってるかというと、糠ニシンの塩抜きに半日かかるからだ。


まず、ニシンについている糠をしっかり洗う。

次にボウルに冷水を入れ水に浸す、冷たいほど、旨味が残るとお袋に習った。


漬け始めから最初の数時間は、1〜2時間ごとにこまめに水を変える。

今回は本漬けに漬け直したので半日程度塩抜きする。


塩抜きの間に、また本漬け糠ニシンを漬ける。

最近は、甘塩ばかりで昔ながらの本漬けが食べたくて、漬け直しているのだ。


真空パックの甘塩糠ニシンを開ける。

左手で持ち、咥えながら開けると口に糠が…しょっぱくて臭い。

なのに食べると美味しいんだから凄いよなぁ。


糠をしっかり洗い、ペーパーでしっかり水気を取る。

腹の中は特に注意して拭いていく。


結構がっちり塩気ある本漬けにしたいので、煎り糠に対して三割程度の塩をいれ、鷹の爪と切り昆布少々入れてかき混ぜる。


腹に塩をすり込み、先ほどの糠を腹の中にキッチリ詰めてから周りにもすり込んで包むようにする。

糠を敷いた容器にニシンを入れて上から糠をかけて隙間なく埋める。


後は落し蓋をして、1匹につき500のペットボトル1本を乗せて冷暗所に。

北海道だと今時期は風除室でちょうどいいかな。


後は二週間から一か月くらい、漬ければ漬けるほどしょっぱくなる。

今回のは二週間くらい漬けてたが、これは一か月漬けてやろうか。


仕込みを終え、孫の写真を整理などしていたら、そろそろ糠ニシン焼く時間だ。


まずは糠ニシンを焼いていく。

ハサミで頭を落とし、三等分にして更に背骨に沿って切り6等分にする。

コンロなら、三等分で焼くのだが、家はIHでキッチンペーパーで焼くので、こうして焼く方がこんがり焼けるのだ。


じっくり皮目が焦げるまで焼いていく。

通常、焼き魚は焼き立てが旨い、しかし一切れで飯を一膳喰えるような、しょっぱい糠ニシンだけは冷めたほうが旨いと思うので、早めに焼いて粗熱取っていく。


冷ましてるうちに胡瓜の叩き浅漬け作っていく。

大きめのジップロックに適当に折った胡瓜、塩少々、鷹の爪の輪切り少々、鶏がらスープ適量にごま油少々を入れて、掌で叩いて胡瓜砕いていき、空気ぬいたジップロック巻いておけば水が出て浅漬け出来る。


まあ漬物というか和え物に近いが箸休めにはちょうどいいのだ。


「ただいまー…?」


嫁子が帰ってくる。

そういえば、今日は特に匂いも熱も無いメニューだから、玄関入って違和感あったらしい。


「なんか、今日はご飯ないのかと思ったよー」


「今日は暖かいのは味噌汁くらいだし、あまり匂いもないもんねw」


そういいながら夕飯を並べていく。

即席みそ汁に炊き立てご飯用意して、いよいよ、たらこの子和えを食べる。


「「いただきます。」」


ご飯にたっぷりと冷たい子和えを乗せる。

炊き立てのご飯に、プチプチ触感が楽しく、かみしめると魚卵が持つ滋味がジワッと広がる、そこに味が染みた突きこんにゃくだ。

なんて美味しいんだろうなあ。


お行儀悪いが、たらこの子和えを食べるときだけは、ご飯と子和え同じくらい乗せてスプーンで掻き込む。

大人になってお行儀よく食べたりもしたが、これが一番うまいのだ。


嫁はそんな私見て笑っている。

結婚当初に子和え作って食べるときに「実はご飯に乗せて掻き込みたい」ってカミングアウトしたのだ。


そうこうしてるうちに、一膳目を食べ終わってしまった。

子和えを食べたいが、三日は食べたいから今日はもう止めだ。


二膳目は糠ニシンだ。

これはしょっぱくて骨も多く手ごわいが、これも私の大好物だ。


6等分のうち、1枚を取ってご飯に乗せる、まずは腹側だ。

小骨が沢山あるが気にせず齧る、ジャリッと聞こえそうなほどの塩気。

そして、すかさず飯を放り込んで、口内で調味する。 最高だ。


そうして半分喰ったところで、浅漬けに気が付き口に放り込む。

うん、鶏がらスープとごま油が良い仕事だ、何より簡単だしな。


ふと、嫁を見ると相変わらず笑っている。

そういえば、今日は自分の好きなものばかりだった、嫁の事考えてなかったわというと、いつも私の好きなもの作ってるんだから良いのと、また笑った。


なんだか照れくさくて、残りのご飯食べることにした。

残ったご飯と糠ニシンの背中側は、ほうじ茶でお茶漬けにする。


背中側は糠の匂い少なくて、塩気も幾分少ないからお茶漬けに向いてるのだ。

少しのワサビ入れてサラサラとお茶漬けを流し込む。


満腹だ。満足だ。


俺が、満ち足りた顔でお茶を飲んでいると、嫁子が相変わらずの笑顔でこう言った。


「今日のご飯も美味しかったけど、明日は枝豆混ぜご飯がいいです!」


と、とても良い顔で言う嫁子に、今日も癒されるわたしでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ