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料理嫌いの嫁を家で待ちながら、無職夫は今日も夕食を作る~幸せ手抜き料理  作者: だい


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7/9

今日はオムライスの気分!…と嫁が申しております

「今日はオムライスの気分!」


出勤前のコーヒーを飲んでいた嫁が高らかに宣言した。


「うーん、今日はケチャップライスにフワトロ卵、デミグラスかけたのが良いなあ、スープはコンソメ、いや、ミネストローネがいいかな。サラダは特にいいや!」


「…いや、良いんだけど急にどうした?」


「昨日ね、ドラマ見てたらオムライス出てきたの。そうしたら、久しぶりにパパの食べたいなってさ。」


「君は、基本テレビかユーチューブ見ると食べたくなるよな。」


「でも、うに丼とか松茸とかは言わないようにしてますー。」


「わかったわかった。じゃあ今日はオムライスね!。」


嫁はフローリングで靴下で滑る、謎の「オムライスの舞い」というのを披露してパートに行ったのだった。


オムライスね。

実は、わたしもオムライス大好きなのでちょっと嬉しい。


えーと、まずケチャップライスの材料は鶏肉と玉葱。

どちらもあるが、玉葱は冷凍のみじん切りがあるから良いとして、いつもストックしてる、切ってある鶏肉が切れていた。


うーん、包丁使えないし鶏肉を細かくするのはハサミじゃきついんだよね、代わりになんかあったっけなあ…

うーん、ここは安定のシャ〇エッセンだな!


ウィンナーをハサミで輪切りにしていく。

チョキチョキと、ハサミの音がキッチンに響いていく。

私の好きな時間だ。


料理をしている時は、私でも家庭の役に立っていると思える。


病気になり、半身麻痺となった時も、誰にも「邪魔だ」とか「役に立ってない」とか言われたわけでは無い。


しかし、仕事もできず、社会から居場所が無くなり、寄る辺なくなった私の気持ちは、わからないのだと思う。


でも、嫁は変わらない笑顔でのんきに言う。

左手だけでも、自分より上手いし美味しいからご飯作って、と。

夫が働けなくなり、収入は激減し、着替えやお風呂も一人で出来なくとも、彼女はいつも「ご飯作って」とだけ笑って言うのだ。


そんなことを思ってたら、ウィンナーは全部切れていた。

…でもちょっと肉成分が少ないような気がするなあと、冷蔵庫やストッカーを漁る。


ん?、鳥そぼろの瓶あるなあ、生姜も入ってるし、ケチャップと醤油も相性良いからこれ使おう


フライパンにサラダ油とチューブニンニクを三センチ、温まってきたらウィンナー入れて、焼き目ついてきたら冷凍玉ねぎを。

更に鳥そぼろを瓶半分入れて炒めていく。


火が通ったら片方に寄せて、そこにケチャップを入れる。

加熱ゾーンで一番熱くなるところを探り、最低大さじ4杯以上のケチャップを焼いていく。

焼くことでケチャップのツンと来るのが減るのだ。


さて、普通ならここでご飯を入れて炒めとなるのだがやらない。

左手だけだと、多くのご飯をフライパンで返すのはキツイのだ。

なので具材はジャーの中へ。

混ぜて味を見てケチャップを足す、胡椒振っておしまい。


こうして作るケチャップライスや炒飯って、味は普通にケチャップライス作ってたのが100点ならば、慣れたら90点はある。

炒めの香ばしさ無いけど、省力化を考えたらコッチで良いかも。


次はミネストローネ

実は簡単で美味しいので我が家ではよく作る。


カットトマト缶を開けて鍋に入れる。

缶詰の蓋も、スプーンの柄など使えば開けることが出来るのだ。


そこに「彩り10種のミックスベジタブル」を入れて煮る。

家では、濃度は合わせる料理で決めているが、今日は野菜のみだしバゲットを乗せて食べないので水で調整する。


コトコト煮えてきたら、コンソメと塩コショウにバジルで完成。

おっと、最後にオリーブオイルをさっと一回ししましょう。


お、玄関から声が聞こえてきた、鍵が開く。


「ただいまー、オムライス作ってくれたー?」


「うん。作ってあるよ、着替えといで。」


では、上にかけるデミソースをでっち上げよう。

ミルクパンに250㏄程度の水を入れ、ビーフシチューの素を入れる、ウスターソース、ケチャップと赤ワイン、バター少々。

今回は上に乗せる卵が甘いので砂糖は入れない。


常温に出しておいた卵を六個割り、塩少々に牛乳を大さじ三杯入れて砂糖を大さじ二杯いれ、フォークでザックリ混ぜる。

バターをたっぷりと大さじ二杯いれて、ゴムベラで返しながら、弱火で火を入れていく、柔らかいなと思ううちに濡布巾に下す。


ジャーを開けて、乾いたり味が変わってないかチェック。

うーん、ケチャップ足してウェットな感じにしよう。


ケチャップライスを盛り付けて、スクランブルエッグをかける。

デミソースをかけてから生クリームかけて見栄え良く盛る。

ミネストローネも用意できた。


「出来たよー、食べようよ。」


「わー、言ったとおりのオムライスだー!」


「いただきます。」


うん、ケチャップライスは鳥そぼろが生姜効いてるし醤油のコクも出てる、シャ〇エッセンは安定の美味さだ。

スクランブルエッグは甘いが、デミとよく合うし、ケチャップライスも最後に足したケチャップで味も濃くなり正解だ。


ミネストローネはホッとする味。

入っているのは、ピーマン三種に、コーン、ささげ、揚げなす、揚げズッキーニ、じゃがいも、にんじん、たまねぎ。

これが冷凍であるのだから自分のようなハンディキャップある人間は非常に助かる、メーカーさんには感謝しかない。


トマトにコンソメって合うよなあ…

こんな組み合わせは、昭和だとこんな北海道の田舎には無くて、東京に出た時に初めて飲んで美味しくてびっくりしたなあ。


お、嫁が食べ終わった。

満足そうにこっちを見ているが、何か言いたそうだ。


「どうしたの、美味しくなかったかい?」


「…いや、なんかデザートとかあるかなあって」


私は冷凍庫からチョコ〇ナカ出すと嫁子に渡した。

嫁子は謎の踊り踊っている、今の彼女のブームらしい。


明日は嫁に何を作るかを考えるのが嬉しい私なのでした。



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