第30話:味噌ラーメンとカレーラーメン
寒い……
この辺りは、冬にはー5℃以下も珍しい。
なのにー10℃って何なんだ。
こうなると、鍋や麺類になるよなあ。
パスタにうどんに素麺にフォーもある。
蕎麦は食べたばかりだから除外。
そうなるとラーメンだね。
大好きなんだけど、何味にしようかな。
塩はけっこう作ってるし、寒いときは醤油って感じじゃないし、ここは北海道人としては「味噌ラーメン」だな。
味噌ラーメンは、嫁子の好物だしね。
ちょうど煮豚もある、味玉も漬けてあるし、決定だ。
ただ、私は味噌ではなくカレーラーメンにしよう。
カレーラーメンって言うと色物のようだが、室蘭市ではメジャーで、私が子供の頃から親しんでたのがカレーラーメンだ。
もともとは70キロほど離れてる苫小牧に総本店がある。
そこの味に惚れ込んだ人が修行し、私の住んでいた街で、初めて出した店が、「室蘭カレーラーメン」の祖だ。
だがこの店は、最盛期には6~7店舗があったと思うが、同じ看板付けて、元々親戚のはずなのに店ごとに味が違う。
もちろん、カレーラーメンの発生の苫小牧の総本店とも違う。
私はネットの情報で見ただけだが、「ラーメン二郎」も各店舗で味が違って贔屓の店も違うらしいので、それに似てるかも。
私は内地にいた時期に、どうしてもカレーラーメン食べたくて、そこの地域の店を探し回り、やっと見つけたカレーラーメンが、私のような室蘭人の考えるものと違ったのだ。
それはカレー風味のラーメンで、醤油やみそ味が透けて見えてるラーメンっだったのだ。
そうじゃなくて「カレー味のラーメン」食べたかったんだ。
もちろん、ちゃんと美味しかったのは間違いないよ?。
でも、室蘭人としてはなんか違うんだよね……
だから自分で作ろうと思ったのが最初だ。
私が思うカレーラーメンは、「輪西店」と「中島店」という地区の店がメインでそこ以外はあまり行ったことがない。
私が作るのはその二店舗に似て、ドロッとしてるのが特徴だ。
もちろん、本当のレシピを知ってるわけではない。
内地でどうしても「室蘭のカレーラーメン」が食べたくて、手に入る材料ででっち上げたのが、私が作るカレーラーメンだ。
よし、じゃあカレーペースト作ろう。
多めに作れば冷凍も効くしね。
まずはカレールーだ。
これは好みなんだけど、私はゴールデ〇カレーの中辛を使う。
ルーをスクレーパーで刻んで、ニンニク、ショウガと一緒にラードで炒めていく、ここで更にカレー粉も入れる。
ルーやカレー粉が少し芳ばしくなったら、ミキサーですりおろした白菜と玉ねぎで伸ばす。
塩コショウで味を調えたら「カレーペースト」の完成だ。
濃さとしては、普通のラーメンのタレよりも多く使うので、それを見越して作っておくといい感じになる。
あとは嫁に、「西山ラーメンの中太縮れ麺」買ってきてと言えば今できる仕込みは終了だ。
最近は自家製面も太麺の店も多いけど、私くらいの年齢の道央圏の人間には、ラーメンの麺と言えば西山の中太縮れ麺なのだ。
何か楽しみだなあ。
そうだ、わざわざ別に考えないで小丼で二種類とも食べよう!
きっと嫁子もそれの方が喜ぶしね。
しかし、そうなると調理手順を工夫しなきゃな。
二種の味は、両方とも丼にスープを入れないで、フライパンで作ったスープを注ぐからIHを両方使っちゃう。
……そういや電気鍋は結構大きいから、あれで麺は茹でよう。
味噌ラーメンとカレーラーメンは、ともに乗せる野菜は同じにして事前に炒めればいけそうだな。
うん、こういう手順考えるのも楽しいよな。
やっぱり私、料理好きだなあ。
私も、ラーメン早く食べたくて待っていると、ドアが開く音が。
「ただいまー、麺買ってきましたよー」
「おかえり。私もおなか減ってるからすぐ食べようよ」
「おー、望むところ! 手を洗って着替えてきまーす」
嫁子が用意する間に調理を始めていく。
まずはお湯を沸かしていく。
待っている間にフライパン二口使って、味噌ラーメンとカレーラーメンのスープを作る。
まず味噌。
ラードに少しごま油混ぜたものでニンニクにショウガを炒める。
そしてそこに合い挽き肉と白みそ入れて炒めていく。
香ばしさが出たら砂糖と化学調味料。
そして業務用の無塩豚骨スープとお湯で完成。
正直言うと、この作り方で慣れてくると、怒られそうだが、ほぼ8割くらいのお店よりは美味しく出来るようになる。
カレーラーメンもほぼ同じ手順だが、カレーペースト使う分だけ簡単で、ペースト炒めて業務用の無塩豚骨スープとお湯だけ。
野菜でとろみ出してるけど少しだけ水溶き片栗粉を入れる。
麺が茹で上がったら4つの小丼に入れていき、スープを入れる。
炒めてあった、もやしと白菜、玉ねぎを盛る。
味噌ラーメンには味玉とメンマに煮豚を、カレーラーメンにはワカメとメンマ、煮豚だ。
最後に小ライスと一味を出して「二種盛りラーメン」の完成だ。
出来上がった時に、丁度嫁子が来た。
「あー、ラーメン二種類ある!カレーだけじゃないんだね」
「嫁子が味噌好きだからさ、両方作ってみたのさ」
「嬉しいよー、じゃあ「「いただきます」」
私はまずはカレーラーメンから。
カレーラーメンはライスにバウンドしてから食べるのが作法だ。
バウンドで冷ました麺を啜り、スープ付いたライスを一口。
そしてスープで追い打ちをかけるのだ。
うん、旨いなあ、至福とはこのことかなあ。
ふつうラーメンの具で主役と言えばチャーシューだろう。
しかし、私の中ではカレーラーメンだけは違うのだ。
カレーラーメンの具で、主演はワカメ、助演が白菜なのだ。
意外だろうが、カレーラーメンとワカメはすこぶる相性が良い。
良すぎて、カレーに入れても美味いに違いないと入れてみたら、ひどく不味かったのだからおかしなものだ。
そして白菜。
およそ、ラーメンともカレーとも縁がないこの野菜が、私が作るカレーラーメンにおいては欠かせない物だ。
ペーストにとろみと甘みを与え、具でも歯ごたえと甘みで楽しませてくれるが、これもカレーだと不味いのは何故なのだろうな。
そして味噌ラーメン。
手抜きだが味には自信がある。
味噌ラーメンにはうるさい嫁子からも褒められる。
料理って、きちんと手順を積まないと美味しくならない物と、最高が100点なら、80点くらいまでは工夫と手抜きで行けちゃうものがあると思うが、味噌ラーメンは後者だと思う。
そして作り慣れてくると85点以上出せるのだ。
そんな風に自画自賛しながら食べていると、嫁子がとても嬉しそうに味玉を食べている。
それを見て(いつの間にか味玉が普通になったけど、昔って只のゆで卵を半分だったよなあ)と思いながら味玉をあげた。
二つとも完食して小ライスの半分が残った。
もちろんカレーラーメンのスープに入れるために残したのだ。
このカレーおじやがたまらん。
病院の先生が見たら、怒られそうな物って美味しいんだよなあ。
嫁子も完食したようだが、何か言いたいらしい。
「どしたの?」
「いや、味噌ラーメンのライスが足りないなって」
……次からは二種盛りはやめとこうかと思う私でした。




