たらこバターうどんと追い飯
私の街は雪が少ないが、
その分、湿度も低く、風が強い。
つまり、体感温度が低いのだ。
私は普段、
ベランダ横に置いている
電動ソファーに座っている。
我が家のベランダは南西向きで、
この季節は西日が早い時間から当たり、
意外と暖かい。
日が高い夏は、
上手く日光も当たらないので、
それもまたお気に入りだ。
だが冬は、
マイナス五度を下回ると、
日の暖かさより
ガラスからの冷気のほうが勝る。
二重ガラスで二重サッシなのだが、
それでも寒い。
昨年、嫁子が
プチプチの梱包シートのような
「断熱シート」を
とても安く買ってきた。
正直、少しバカにしていたが、
これが思いのほか効果がある。
冬でも、
ベランダのそばが
寒いと感じなくなったのだ。
だが、今日は寒い。
気温はマイナス十度。
風速も十メートルほどある。
体感だと、
マイナス二十度は
あるんじゃなかろうか。
ここまで寒いと、
防寒シートも役に立たない。
風が強く、
閉めた換気口から
寒風が沁みてくるのだ。
今日は嫁子と引きこもる。
外には出ない、外はイヤだ。
道産子でも、
寒いのは嫌なんです。
まずは、
お腹を空かせた顔の嫁子に
昼飯を出そう。
何にしようかな。
嫁子の顔を見ると、
かなり空いている様子だ。
あまり時間をかけないほうが
よさそうだな。
よし。
今日は、たらこがある。
「たらこバターうどん」だ。
冷凍うどんを茹でて、
たっぷりのバター。
そこに、たらこ。
刻み海苔を乗せたら完成。
よくあるメニューで、
目新しさはない。
私も現役時代、
うどん、パスタ、きしめんと、
いろんな店で
たらこバターを食べてきた。
まあ、美味しいよね。
大きく外れることもない。
だが、我が家の
たらこバターうどんは違う。
白老の虎杖浜にある、
とある店のたらこを、
昨年たまたま使ってみた。
それだけで、
劇的に味が変わった。
たらこバターの概念が、
ガラッと変わった。
私たちも、
最初は驚いたくらいだ。
うどんは冷凍で十分。
バターも普通のでいい。
ただ、たらこだけは良いもの。
それを、茹でたて、作りたてで食べる。
それだけで、ここまで旨くなる。
「嫁子ー。たらこバターうどん、
出来たよ」
「やったー!もう、たらこバターは
家以外で食べられないよ」
「では、「「いただきます」」
私は少しだけ、昆布醤油。
更に粗挽き胡椒を入れて混ぜる。
まずは一口。
醤油バターの香り。
たらこの塩味と旨味。
最後に、胡椒の香りが鼻から抜ける。
こんなの、美味しくないわけがない。
私はネギを入れない。
ここに、ネギの主張の強い香りは
合わないと思っている。
嫁子はネギを入れたいらしい。
まあ、そこは好みだ。
二口ほど食べてから、刻み海苔を足す。
ネギと違い、海苔の香りは
たらこやバターを邪魔しない。
もちろん、これは個人の感想だ。
嫁子を見る。
少なくなったうどんを、
大事そうに食べている。
あ、無くなったな。
悲しそうだ(笑)
二人とも、
あっという間に平らげた。
嫁子は、
おかわりが欲しいのか、
こちらをチラチラ見ている。
「嫁子、もう、うどんは無いんだよ」
がっかりした嫁子に、
私は茶碗を差し出す。
「でも、ご飯はある。底に残った
たらこバターと混ぜてみて」
嫁子は嬉しそうに混ぜるが、
たらこバターが少ない。
そこで、
細かく切ったカマンベールチーズと、
マヨネーズを出す。
嫁子は、それらを全部混ぜ、
刻み海苔を乗せて頬張った。
「嫁子、美味しいかい?」
「美味しい!こういうジャンク、大好き」
顔がテカテカなのに、とても嬉しそうだ。
その姿を見て、
「今年はダイエットメニューを増やそう」
と決意した私です。




