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料理嫌いの嫁を家で待ちながら、無職夫は今日も夕食を作る~幸せ手抜き料理  作者: だい


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第22話:昭和のナポリタンと甘い玉子サンド

久しぶりに友人とお茶をした。

お互いの近況や愚痴などは、実は男同士も結構するのだ。


喫茶店なんて久しぶりだ。


私が住んでいた街は、

三交代の男たちの胃を満たすため、

食堂と喫茶店がとにかく多かった。


私のような商店街の子は、

親が忙しいときはツケで、

食堂や喫茶店で食事したものだ。


小学校に上がる前には喫茶店でご飯を食べ、

小学校の頃にはコーヒーを飲み、

インベーダーゲームをやっていたなあ。


当時はパチンコ屋の横に、

スマートボールとゲームセンターがあって、

小さい馬のフィギュアを走らせ、

当たるとオッズによって払い出された。


スマートボールもコインをくれた。

そのコインはパチスロと共有で、

換金もできたのだ。


……昭和だよなあ。

今なら大問題だよね。


まあ、私のいた街は少々おかしかったようだ。

でも、大好きだった街だ。


新宿のゴールデン街に行ったとき、

あの頃のあの街に似ていると思った。


帰ってきたが、嫁子はまだだ。

実家に行っているらしい。


今日は作るメニューは決めている。

「昭和のナポリタン」と

「甘い玉子サンド」だ。


今日行った喫茶店で、

食べたかったのだ。

どちらも、よく食べていた。


子供の頃、学生の頃、

そして嫁子や子供たちも。


味で言えば美味しい店はたくさんある。

でも、あの街で育った人間にとっては、

ソウルフードなのだ。


考えると、私の料理は、

喫茶店メニューや洋食系が多い。


地元の街に喫茶店や、

洋食屋が多かったのが原因だろう。


今日は店で食べたかったけど、

嫁子に作ってやろうと思った。


1.9ミリのパスタをフライパンへ。

水につけておく。


その間に具材を見る。

玉ねぎとピーマンは一軍だ。


ベーコンでもいいけど、

私にとって昭和のナポリタンは

魚肉ソーセージだ。


あとは缶詰のマッシュルーム。


斜めタイプのカーボンのスクレーパー。

シャクシャクと野菜が切れて、

気持ちがいい。


魚肉ソーセージは輪切りで二本。

あとは嫁子が帰ってきてから仕上げだ。


玉子サンドは作っておいても、

逆に馴染んでいいので先に作る。


私の中の喫茶店玉子サンドは甘い。

甘いのに、ケチャップやソース、

醤油をかけて食べる。


まずはマヨネーズとマスタードを混ぜる。

サニーレタスを用意する。


卵は一つに三個。

割って、牛乳、塩コショウ、

砂糖大さじ一を混ぜていく。


バターを多めに溶かし、卵を入れる。

かき混ぜながら火を通し、

四角に畳んでいく。


軽くトーストした

八つ切りの角食に、

マスタードマヨネーズを塗り、レタス。


玉子を乗せ、パンを重ねる。

皿を乗せ、ペットボトルを乗せて馴染ませる。

同じものをもう一つ。


「ただいまー、おなか減ったー」


「義母さんのところで食べなかったの?」


「パパのご飯は別腹だよ?」


嬉しいことを言うなあ。


フライパンに火をつけ、湯を沸かす。


沸くまでにサンドイッチを切る。

大きなスクレーパーで四等分。

耳は付けたままで大丈夫だ。


フライパンで具材を炒める。

ケチャップを入れ、

酸味と水分を飛ばすまで炒める。


茹で上がった麺を入れ、

和えながら炒める。


麺は水につけてから茹でると、

あの喫茶店の茹で置きの麺に似るのだ。


最後に追いケチャップ。

炒めて酸味を飛ばしてお終い。


この、べたっとするくらいが美味しい。


あとはインスタントのコンソメだ。

あの頃は、

どこの喫茶店もこれだった。


よし、

「昭和喫茶ご飯」完成。


「嫁子、出来たよ。おいで」


「わっ、喫茶店みたいだね!」


「今日さ、お茶飲んでて思い立ったのさ」


「そうなんだ!

じゃあ……『いただきます』」


まずはナポリタンだな。


喫茶店のナポリは、

洋食屋のと違い、

粉チーズとタバスコを

たっぷりがいい。


アルデンテは気にしない。

柔らかく、モッチリが正義だ。


ピーマンの青臭さ、

玉ねぎとマッシュルーム。

今日は魚肉ソーセージがいい。


ベーコンもいいが、

このチープさがたまらない。


「嫁子、美味しいかな?」


「うん!

ナポリもいいけど、

玉子サンド好き!」


ほう、玉子サンド派か。


私も食べてみる。

甘いけど旨い。

フィリングとは別の食べ物だ。


ケチャップをつける。

間違いない。


ウスターもいい。

醤油は、かける前から旨い。


二人で食後のお茶を飲んでいると、

嫁子が謎の黒い物体を持ってきた。


「これ、なあに?」


「ふっふーん、食べてみて」


……干し柿だ。


姉に貰った柿を、

干して焼酎で揉んでいたらしい。


恐る恐る齧る。

……旨い。


「どう?どう?」


「見た目以外は最高です」


嫁子はどや顔で干し柿を齧る。


来年は嫁子と一緒に、

干し柿を作ろうと思った。

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