表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理嫌いの嫁を家で待ちながら、無職夫は今日も夕食を作る~幸せ手抜き料理  作者: だい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/34

第21話:煮込みうどんと中華風鶏炊込みご飯

落ち着いていた寒さが戻ってきた今日。

最高気温はマイナスのうえ、湿気が無いので、体感気温もとても寒く感じられる。


団地のゴミ投げ場

(北海道ではごみは「投げる」というのです)

の掃除に行った嫁子は、後頭部が痛い寒さだと言っていた。


いっそ雪が降れば暖かいのだが、

そうなると道路は滑るようになり、

どちらがいいのかと話すのは、この季節はいつもだ。


嫁子がパートに行った後は、

私はなるべく着こんで、ソファに電気敷布を敷き、毛布をかぶる。


我が家は、半身まひの私が転倒した時に危険なので、火の気がなく、

暖房はオイルヒーターだけなのだ。

なるべく節約するべく、日中はこのスタイルにしている。


身体は十分に暖かく、寒いわけでは無いが、

耳や手先は冷える。


だから今日は温かいものを作ろう。

寒くてあまり動きたくないから、手抜きでね。


丁度昨日、嫁子が色々割引された物を買ってきた中に、

「玉うどん」の茹で麺があったから、

それを使わなきゃいけないってのもある。


あとはどうしようかな。


うどんと焼き魚。

私の中ではちょっと違うな。


うどんと肉系。

これはアリ、候補だな。


うどんと煮物。

味も色もかぶるから却下。


うどんと味ついたご飯。

……これか、これで決定だ!


そうなると、あとは何のご飯にするか。

混ぜご飯、炊き込み、チャーハンに餡かけご飯。


うーん、冷蔵庫はと。

何でも出来そうな材料だな。

こういう時はむしろ困るんだよ。


洋風はないな。

中華は良いんだけど、今日は鍋を振るのが面倒だ。


こりゃ、中華でも材料を放り込めば出来る炊き込みだな。


材料は、冷凍人参に冷凍玉葱、冷凍鶏肉。

冷凍ばかりで、とても温まりそうにない(笑)


あとは水煮タケノコとシイタケか。


無洗米に、ゴボウなどをお好みで。

鶏肉を半解凍でスクレーパーで切る。

気持ちいい~。


戻したシイタケやタケノコも切る。


ぬるま湯で鶏がらスープを濃く溶かし、胡椒を入れて米に。

シイタケの戻し汁を入れて、味と水の量を合わせたら、

生姜とごま油を入れて炊く。


細かく切ってある業務スーパーの搾菜を、

塩だし後にニンニク、うま味調味料、ラー油、塩で味付けしておく我が家の常備菜。

こういう時はこれが活躍する。


フライパンで炒める。

少し油を入れてから卵を入れ、

黄身を潰しながらふわっと混ぜる。


あとは炊きあがったご飯に入れたら、

「中華風炊き込み」の完成。


書くと字数は多くみえるが、とても簡単なのだ。


さあ、次は煮込みうどんだ。

我が家の煮込みうどんは、少し他と違う。


こういうと、凄い材料かと思われるだろうが、全く違う。

煮込んで放っておくのだ。


ヘタをすると朝作って昼まで置いてある。


それはもう、クタクタの延び延びで、

持ち上げると切れて、レンゲで食べるくらいに柔らかい。


なぜこんな煮込みうどんなのかというと、家業が関係する。


我が家は焼き鳥屋を営んでいたのだが、

元々鳶職だった父が親方として仕事を始めたのだ。


そして現場の職人さんに、

一服の時間に差し入れたのが、この「煮込みうどん」だった。


最初は、たまたま午前の休憩が取れなくて昼食時に食べたら、

うどんが汁を吸っておなかの中が温まるし、

柔らかいのも意外と好評で、

実家の煮込みうどんはこういう形になった。


鍋焼きは普通なのにね。


鍋に麺つゆを薄めに。

そこにうま味調味料を入れて醤油を入れ、温める。


温まったら砂糖を入れて、薄めの甘い汁に。


あとは材料だ。

まずは鶏肉を煮る。


煮えたら今日は、

ゴボウ、人参、ちくわ、なると、大根、揚げ、シイタケ、小松菜。


具材は入れたいものを、入れたいだけ入れるのだ。


おっと、肝心のうどんを忘れてたよ。


うどんは、よく売ってる茹で麺だけど、

太さが小指くらいの、コシのない丸い麺が美味しい。


あとは煮るだけ。

卵を二個割り入れておく。


と言っても、煮えてから五分も煮ればよし。

あとは粗熱が取れても、暫く放置。


蓋を開けて、汁が見えないくらいに麺がふやけていたら完成。


夕刻、

いつもより元気がなさそうに鍵が開いた。


「ただいまー……うう、寒いよう、おなか減ったよう」


「温かいのを出してあげるから、まず着替えてうがいね」


嫁子が、うう、うう、と言ってる間に温かいチャイを入れておく。


カルダモン、シナモンシュガー、

ちょっとだけ生姜、

粉末のティーラテを入れて、お湯を注いで完成。


市販のチャイの粉末より、

スパイスが足りないくらいがいいらしい。


嫁子にチャイと落雁を出してから、

うどんを温めていく。


ここでお湯と麺つゆで、うどんの汁を増やす。

どこまでも麺がふやけるので、食べる時に増やすのだ。


中華炊き込みをよそって、

うどんは食卓の真ん中へ。


お玉で各自、好きな量を掬って、

唐辛子やショウガを入れて食べる。


「では、「「いただきます」」」


私は嫁子から器を取ると、うどんを入れてやる。


嫁子は、おやっ、という顔をしたが黙っている。


「はい、お食べ」


「温かそうだねえ。

美味しいよ!

麺が切れるんだけど、汁を吸ってるから、

良く出来たすいとんみたいだよ」


「今日は随分と、グルメレポーターみたいだね」


「だって美味し……?

あ、玉子!

さっき入れてくれたやつだ」


嫁子は玉子が大好きで、

料理に玉子を入れてあげると喜ぶ。


とても美味しそうだったので、私の分も入れてあげる。


「えー、パパ、いいよー。食べなよ」


「いいから食べなさい」


私は中華炊き込みを食べた。


……え?

私、天才ですか?


予想の味の方向ではあるけど、

予想を大きく超えた味というか。


感覚で料理すると、たまにこれがあるんだよ。


きっと次回は、同じ材料でも、

こんなに美味しくならないんだよね。


普段から、ちゃんとキッチンスプーンや、

はかりを使ってる人は再現性が高いんだろうけど。


今日は、この奇跡のような炊き込みを味わおう。


「おおっ!」


嫁子も気づいたか。


「パパ。

これ美味ッしいねえ!

また作ってね」


「残念なお知らせです。

いつもの適当な感覚なので、

おそらく次は、これが百点なら、八五点ってとこかと」


嫁子は、ガーンという顔をしていたが、

食卓を見て頷いている。


「ということは、

これに餡かけをかけたり、

チャーシューを入れたら、

さらに美味しくなって、二百点って可能性があるよね!」


食にポジティブな嫁子は、

今日も元気です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ