第19話:ハンバーグと野菜たっぷりコンソメスープ
今日は嫁子はいない。
義母達と一緒に、50キロ程離れたスーパー銭湯に行った。
そばに全国でも有名な登別温泉や虎杖浜温泉があるのに、なぜ遠くまで只のお湯に入りに行くのかと思うが、月一回程度のこの女性陣の楽しみは、嫁子もたのしみにしている。
なんでも、岩盤浴とサウナが良いのだとか。
岩盤浴、サウナ、ジャグジーに昼食におしゃべりで、いつも嫁子は快い疲労感と空腹を抱えて帰ってくる。
さあ、そんな嫁子に何を作ってやろうかな。
私も、今日は新兵器も手に入れたからワクワクしている。
私の新兵器、それは「スクレーパー」だ。
カーボンで斜めの物と薄刃はがしヘラというものだ。
お好みのコテと比較検討して、柄に角度が付いておらず、逆手で力が入れやすいのでこちらにした。
まずは洗剤できれいに洗い、アルコールで拭く。
包丁だと引く動作が必要で、ただ右手で押さえただけだと動いてしまうが、スクレーパーを逆手に持って押し切ると大丈夫だ。
柔らかいものは、角度の着いたカーボンだと綺麗に切れる。
せっかくだから、普段は材料が切れないから、冷凍もので済ませてる料理が良いなあ。
そうだ、ハンバーグはどうだろう?
冷凍玉葱は使いやすいし不味いわけじゃないけど、やっぱり甘さや歯ごたえでは新鮮な玉葱が良いしね。
よし、まずひき肉と卵を部屋に出して室温に戻す。
玉葱を手で剥けるところまで剥いて、真ん中にスクレーパーを刺し入れて押し切る。
シャクッ…とても、とても気持ちが良い。
何年か振りに、ハサミ以外で物を切るという感覚を味わった。
逆側も切って二つにし、先を切り皮を剥く。
縦に切れ目を入れ、みじん切りにしていく。
気持ちいいなあ、シャクシャクと手ごたえが来る。
お、もうハンバーグの必要分を切っちゃった。
もう少し色々切りたいなあ。
どれどれ、人参に、セロリにサツマイモとエリンギか。
よし、切っちゃおう。
おお、薄刃のスクレーパーで人参やサツマイモをズバッと切るの気持ちいい。
カーボンの角度着いたスクレーパーは、セロリやエリンギの繊維もスパッと切れるし、こりゃ便利だ。
私は、新兵器の切れ味に満足しながら、勢いで切った野菜の下ごしらえに追われていった。
ハンバーグの作り方は各家庭で色々あると思う。
我が家は「合い挽き」「パン粉有り」「玉葱は生と炒め」だ。
昔は、流行に乗って「国産牛100%、つなぎなし」なんての作ったのだが、あれって美味しいかなぁと思ってね?
良い肉じゃないと、100%にしても不味いしパサつくし。
逆に良い肉ならば、ステーキでいいと個人的には思ってる。
結局、私みたいな昭和の貧乏舌だと、「バーガーヘルパー」のハンバーグのようなのが、ご馳走なんだろうなあ。
まずはフライパンで玉ねぎを半分炒める。
しお、コショウで味付けて粗熱取ったら冷蔵庫で冷ます。
パン粉に牛乳を入れ、私は卵も一個入れて混ぜて置いておく。
ひき肉に塩コショウ、ナツメグとうま味調味料とオイスターソースを入れて粘るまで捏ねていく。
私は上手く粘り出るように肉だけで捏ねて、粘り気出てからパン粉と炒めた玉葱と生の玉葱入れるのだ。
空気ぬくのは片手だと大変そうだが、意外といける。
フライパンに油塗って、適当に成型したタネを投げる、投げる。
何回か繰り返すと空気ぬけるのだ。
空気抜き終わったら、フライパンに並べて最大で温めていく。
油はタネから出てくるので、様子見て牛脂足せばいい。
焼き目ついて固まったら、ひっくり返して170℃で少し焼く。
さあ、今のうちに野菜スープだが、言うほどの物でもない。
鍋に切った野菜入れて煮て、アクを取ったらベーコン入れてコンソメ入れると完成だ。
野菜切って煮るだけで、こんなに美味しいんだから良いよね。
ハンバーグは、普通下に焼き目ついたら蓋をして焼くのだが、私は今回はここで湯を入れていく。
分かりやすく言うと餃子の焼き方に近い。
ハンバーグの厚みの半分くらいまで湯を入れて、その半分くらいになったらビーフシチューのルーを一かけら入れる。
これが、ハヤシライスでもカレールーでも美味しい。
赤ワイン、ケチャップにウスターソースにニンニク等お好みで味を決める、うーん甘みとクリーミーさ欲しいから少し練乳を。
「ただいまー、おー、良い匂いだねぇ、おなか減った」
「おかえり、ちょうど出来た所だよ。すぐ食べる?」
「食べるー!着替えてくるね!」
着替えてる間に食卓に食事を用意する。
ハンバーグは深めの更に二個。
コーヒーのミルクを少し垂らすと洋食屋っぽくてカッコいい。
嫁子が着替えてきた。
「うわー、美味しそうだねぇ!「「いただきます」」」
嫁子がハンバーグを割る。
「パパー、チーズが出てきた!」
フフフ、二個のうち一個はチーズ入りなのだ!
私も食べてみるかな。
私のはノーマルだったが美味しい。
肉汁は溢れてこない、パン粉が吸うのだ。
今回は焼きと煮込みの中間ハンバーグだったが、大正解。
ハンバーグをソースと共にゴハンにのせ頬張る。
くー、旨い!我ながら旨いなあと自画自賛する。
嫁子はと見ると、ハンバーグ頬張り黙ってサムズアップにウィンク付けてくれた。
ふー旨いけど、いったん落ち着いてスープ飲もう。
やっぱり私はセロリの匂いが好きだ。
人参の土臭いのもエリンギの風味も好き。
でもコンソメにサツマイモは次はやめよう。
二人で食後の紅茶を飲みながら、食後にも関わらず、明日以降の夕食は何がいいかを二人で相談する。
そして、明日の買い物リストには「体重計が」加わったのだ。




