第16話:ラーメンサラダと豚佃煮とカニ天ぷら
今日の嫁子はご機嫌ななめだ。
なんでも、納品日なのに急に休むという連絡してきた人がいるらしい。
しかも納品日に、月に二回は休むから嫁子が残業になるのだ。
「じゃあ今日は残業かな?」
「嫌だけどね…、今日はゴハンなーにパパ?」
「何か食べたいのあるかな?」
「えーと、じゃあラーサラと豚佃煮食べたい!」
「ちょうど拉麺の麺と豚肉あるから、どっちもいけるよ。」
「やったー、じゃあ仕事頑張って来るよ!」
とご機嫌になった嫁子は出ていった。
相変わらずチョロイなあと思いながら、私は今日の献立考える。
「ラーサラ」とは北海道のメジャーなサラダである「ラーメンサラダ」のことでサラダの具材にラーメン使ってるので冷やし中華に見える。
でも微妙にちがう。
野菜と麺が1:1か下手をすると野菜が多く2:1位は入ってる。
かかってるのは、タレというよりドレッシング使うことが多い。
他の土地の人に、野菜の多い冷やし中華だろと言われるが、例えば夕飯に「冷やし中華」食べて、夜に居酒屋で「ラーサラ」おつまみに頼んでも違和感ないというか、他の料理として認識してるんだよね。
豚佃煮は私の母が、よく作っていて今では嫁子も好きなのだ。
佃煮と言いながらも、朝に時間にパパっとつくる手抜きなんだけど。
あとは、昨日の夜に、姉がもってきてくれたすり身でもう一品。
「カニのすり身天ぷら」を作ろう。
天ぷらと言っても「さつま揚げ」なのだが。
姉が持ってくるすり身は、知人から買ってるらしく非売品だ。
スケソウタラ等の適当な魚ですり身作って、足が取れたりして売り物にならないカニの身を入れて作ったものだ。
汁に入れても上手いが、今日は揚げ焼きにしよう。
お、もうこんな時間か。
さあ、そろそろ帰ってくるから作ろうかな。
まずは豚佃煮だ。
豚バラを3センチ幅ほどにハサミで切っていく。
油を引かずにフライパンへ。
豚が自分の脂で揚げ焼きのようになったら、脂を捨てる。
醤油に砂糖、酒と水飴を入れて煮詰めていく。
水分が飛んだら出来上がりだ。
ラーサラは先ず麺を茹でる。
野菜はカット済みの葉物と大根のサラダだ。
ミニトマトは半分に、カマンベールチーズも適当な大きさに切る。
茹で上がったら、水で絞めてくっつかないようにサッとドレッシングかけて和えてから、野菜の上に盛る。
「ただいまー、おなか減ったー」
「はーい、おかえり。丁度よかった。後は天ぷらを焼いたら出来上がるから、手を洗ってお茶とか出してー」
「了解でーす」
嫁子がお茶や他の料理を出している間に天ぷらの用意を。
ボウルにいれたすり身に塩、砂糖、うま味調味料に人参シリシリ、枝豆を入れて混ぜていく。
泡だて器などでしっかり混ぜたら手でまとめてフライパンへ。
手などで平たく成型して、油の温度を上げていく。
いつもより少し低め、150~160℃といったところだ。
タネが、箸で返せる固さになったら裏返す。
何度か返して、キツネ色になったら出来上がりだ。
他の料理はもう並んでおり、出来立ての天ぷらを食卓に運ぶ。
「では、「「いただきまーす」」
熱いうちに天ぷらを食べよう。
嫁子は生姜醤油、私はおなじみの三升漬でいただく。
熱っついけどカニの良い味出てるなあ。
熱くて口内が剥けたところに、三升漬が沁みるがそれが良い。
とはいえ、ここはラーサラに逃げよう。
取り皿に野菜と麺を取る。
今日は何にしようかなあ、沁みないように胡麻ドレッシングだな。
お、嫁はトマトドレッシングか、攻めるなあ。
私は食べたことないんだけど、美味しいのかな?
さて豚佃煮をゴハンの上に。
出汁とか薄味とかとは無縁の、暴力的なまでに甘じょっぱい豚肉。
ゴハンに温められて脂と醤油の混ざった旨味がでてゴハンが進む。
高校生の時は、これがいつも弁当のゴハンに乗っていた。
嫁子はゴハンに混ぜ込んでわしわしと食べている。
美味しそうだから満足してくれているようだ。
「嫁子、今日は貰った干し柿あるから後で食べような」
「うん、今日も美味しかったよ!明日は麺が良いな!」
食べてすぐに、次の食事のリクエストが浮ぶ嫁子。
私は苦笑いしながら、今日も幸せを感じている私でした。




