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第3話:マイク前の戦場

第3話A「初アフレコ、地獄の囁き」【天乃つかさの演技】


【SNS】

天乃つかさ @shirokuro_tsukasa_official

2025/06/09 10:00:00 JST ID:shiro_kuro_t

今日は初めてのアフレコ現場でした…!

マイクが怖かったし、アドリブも難しくて…

でも、これも経験ですよね!頑張ります!

#新人声優 #アフレコ現場 #緊張


---


息を殺して、マイクの前に立つ。

初めてのアニメ収録現場。空気はぴんと張り詰めている。


「はい、次!天乃さん、こちらのセリフお願いします。感情込めて、自由に!」

ディレクターの鬼頭さんの声が響く。


自由に、だって? そんなの、無理だ。

私は頭が真っ白になり、声が出ない。

手元の台本が、急に重く感じる。


♬**ヘッドホンがマイクに、ゴツン**


緊張で手が震えた。

マイクワークに慣れていない私は、うっかりヘッドホンをマイクにぶつけてしまった。

「ゴツン!」

乾いた音がブースに響き渡る。

周囲のスタッフたちが、一斉にこちらを見た。

顔から火が出るような熱を感じ、全身が硬直する。心臓が大きく跳ね上がる音だけが響く。

穴があったら入りたい。今すぐ消えてしまいたい。


「すみません、天乃さん。今の、衣擦れ音が入ってしまいましたね。服の素材、気をつけてください」

スタッフさんの声が、私を現実に引き戻す。

私の服……?

私は着ているワンピースの素材を確認する。確かに、動くと少し音がするかもしれない。

心の中で「もう裸でやるわ!!」と絶叫する。

背中にじんわりと冷や汗が流れ、肌にまとわりつく不快感が広がる。

肌に触れる衣服の素材が、一瞬、まとわりつくように感じられ、吐息が熱く喉をかすめる。


♬**ガラス越しに見えた、悪魔の囁き**


ディレクターの鬼頭さんが、再び指示を出す。

「もう一度、今のシーン。今度はもっと……本能で。感情を剥き出しにして!」

私は必死に、台詞を絞り出そうとする。

その時、ふとブースの外に目をやった。

ガラス越しに、妹のあすかが立っているのが見えた。

ニヤリと笑っている。

そして、口元だけで、何かを呟いている。

「ハダカで、どうぞ♡」

そう言ったのが、はっきりと分かった。

頭の中が、真っ白になる。

身体中の血が、音を立てて冷えていくような感覚に襲われる。ヒュッ、と息をのむ。


「っ……ひゅ、あ……っ、や、やめて……っ!!」


演技であるはずの喘ぎが、本能的な悲鳴へと変わっていく。

スタッフたちのざわめきが聞こえる。鬼頭ディレクターの表情が、驚きと興奮で歪む。ゾッとする。

妹に完全に支配されているという感覚に、絶望と、微かな快感が混濁する。もう、体が動かない。


【SNS】

名無しの陽炎生徒 2025/06/09 15:30:15 ID:voice_fan_m

新人声優の現場、生々しいな…!

マイクにヘッドホンぶつけるとか、衣擦れとか、リアルすぎるw


名無しの陽炎生徒 2025/06/09 15:32:40 ID:mic_check_ok

あの緊迫感で「自由」って言われるの、声優さん大変だよなぁ…

姉ちゃん、頑張れ!


名無しの陽炎生徒 2025/06/09 15:35:05 ID:yuri_chan

妹ちゃんがガラス越しに何か言ってたの、見逃さなかったぞ…!

あれ、絶対姉ちゃんを弄んでるやつだ…最高…!


---


第3話B「姉は、私の最高の舞台」【天乃あすかの演技】


【SNS】

シロコロロ @shiro_kororo_voice

2025/06/09 10:05:00 JST ID:voice_produ_s

「初アフレコ」での人間の極限状態を観察。

舞台は密閉されたブース。対象は姉。

そして、「言葉」で、感情を支配する。

これこそ、最高のデータ。

#観察記録 #支配 #声優の闇 #天乃つかさ


---


レッスン室の張り詰めた空気。

姉ちゃんは、マイクの前で必死だ。その顔には、既にうっすらと汗が滲んでいる。


「はい、次!台本百本読み切り!感情込めて、一気にいくわよ!滑舌、発声、息継ぎ、全て意識して!」

如月先生の容赦ない声が響く。


姉ちゃんは真面目だから、ああいうの苦手だろうな。

私は声色遊びでサクサクこなす。軽く舌を鳴らす。

「はーい、先生!次!」

先生も、私の方を見て笑ってる。フフン。


♬**姉ちゃんのドジは、私の喜び**


姉ちゃんが、マイクにヘッドホンをぶつけた。

「ゴツン!」

あはは、可愛い。いつもながらのドジっぷりだ。

私は心の中でツッコミを入れつつ、その様子をスマホでこっそり撮影する。

姉ちゃんの顔色がみるみる変わるのを愉しむ視線が、どこか甘く揺れる。


「すみません、天乃さん。今の、衣擦れ音が入ってしまいましたね。服の素材、気をつけてください」

スタッフさんが姉ちゃんに注意してる。

姉ちゃんはきっと、心の中で叫んでいるだろうな。

「もう裸でやるわ!!」って。

姉ちゃんの肩に、そっと指先を触れ、微かな身体の震えを感じ取る。その震えが、なぜか心地よく響く。

この身体も、声も、全て私のもの。


♬**言葉で、姉を支配する**


ディレクターが「もう一度、今のシーン。今度はもっと……本能で。感情を剥き出しにして!」と指示を出した。

姉ちゃんは必死に、台詞を絞り出そうとしている。

その時、ふとブースの外に目をやった。

私はガラス越しに、姉ちゃんの目を見て、口元だけで、囁いた。

「ハダカで、どうぞ♡」

姉ちゃんがそれに気づき、目を見開いた。その絶望の表情が、たまらなく愛おしい。

身体の奥から、甘い痺れが広がる。

姉ちゃんは、私の言葉に、本能で反応した。


「っ……ひゅ、あ……っ、や、やめて……っ!!」


演技であるはずの喘ぎが、本能的な悲鳴へと変わっていく。

スタッフたちのざわめきが聞こえる。鬼頭ディレクターの表情が、驚きと興奮で歪む。ゾッとする。

姉の精神が私に完全に支配されているという感覚に、恍惚とした笑みを浮かべる。

これこそ、私が求めていた「最高の声」だ。


【SNS】

名無しの陽炎生徒 2025/06/09 15:40:00 ID:voice_fan_m

黒ちゃん、姉ちゃんのドジっ子観察日記、いつも楽しみにしてます!w

まさかガラス越しにそんなこと言ってるなんて…ww


名無しの陽炎生徒 2025/06/09 15:42:30 ID:mic_check_ok

妹ちゃん、姉ちゃんのこと大好きすぎるでしょ…!

歪んだ愛が、天才的なプロデュースに繋がってるの、やばい。


百合オタ女子 2025/06/09 15:45:00 ID:yuri_chan

黒視点だと


次回予告


あすか「ねえ、姉ちゃん。今日の悲鳴、最高の録音だったよ。私だけの宝物♡」

つかさ「っ!?あすか、お願いだから、もう私を放っておいてよっ!私の声は、私だけのものよっ!」

あすか「ふふ。姉ちゃんの声も、身体も、全部私のものなのに、まだ気づかないの? 次も、もっと甘い声、引き出してあげるね♡」

つかさ「ひぃっ!?あすかー!!」


第4話:喘ぎ収録で姉が初合格、妹は嫉妬?

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