第13話:恋愛スキャンダル、来たかも
第13話A「拡散する熱、凍える指先」【天乃つかさの演技】
【SNS】
天乃つかさ @shirokuro_tsukasa_official
2025/06/17 10:00:00 JST ID:shiro_kuro_t
今日はドラマの撮影でした!
共演者の方々と、オフショット撮りました✨
初めての経験で緊張したけど、楽しかったです!
#ドラマ撮影 #オフショット #新人声優
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私はスマホの画面を凝視していた。
そこに映し出されているのは、数日前に撮影したドラマのオフショット。
人気俳優さんと、私のツーショットだ。
何気なく投稿した写真だったのに、今、それは炎上している。
指先が、冷たくなるのを感じる。
「天乃さん、今回の件について、事務所で一度お話があります」
マネージャーの天城さんの声が、どこか遠くで響いた。
顔が、熱くなる。全身の毛穴から冷たい空気を送り込まれるような感覚に襲われる。
炎上する画面、まとわりつく視線
天城マネージャーから「君、見られてるよ」と忠告された。
その言葉が、まるで肌に刺さるように痛い。
ファンからの憶測や批判コメントが、私のSNSに次々と殺到する。
「なんで共演者とツーショットなんて撮ってんだよ」「調子に乗るな新人声優」
心臓がざわめく。喉の奥がキュッと締め付けられる。
SNSでの言動に細心の注意を払うようになり、発言が制限されることに息苦しさを感じる。
顔が熱くなり、指先が冷たくなる。見えない視線が、まるで皮膚にまとわりつくような不快感を与える。
夜、一人で寝返りを打つたびに、見えない視線が肌にまとわりつくような感覚に襲われ、身体が微かに震える。
妹の笑みと、遠くなる私
隣にいるあすかを見ると、ニヤリと笑っている。
その瞳には、どこか悪魔的な企みが宿っているのが分かる。
「姉ちゃん、バズってるね。これ、プロモーションになるんじゃない?」
そう囁かれる。
私の恋愛スキャンダルが、あすかには「プロモーション」に見えているらしい。
その言葉の裏にある思惑に、微かな嫌悪感を抱き始める。
私の知らないところで、私の名前が、関係のない話題で拡散されている。
悔しさで唇を噛みしめる。
声優としての人気が高まるにつれ、プライベートが犠牲になる現実を突きつけられる。
もう、私の声も、私の名前も、私だけのものじゃない。
あすかの笑みが、私を、どんどん遠くへ引き離していくように感じた。
【SNS】
名無しの陽炎生徒 2025/06/17 15:30:15 ID:voice_fan_m
新人声優が早くも炎上か…
人気俳優とのツーショットは、さすがにまずいだろ。
もっとプロ意識持てよ。
名無しの陽炎生徒 2025/06/17 15:32:40 ID:mic_check_ok
あのツーショット、公式が許可したのか?
事務所の管理どうなってんだよ。
てか、妹ちゃんはなんで笑ってんだ…
百合オタ女子 2025/06/17 15:35:05 ID:yuri_chan
姉ちゃん、炎上してるのに妹ちゃんは冷静なの最高…!
妹ちゃんのツイート、意味深すぎて考察が捗る…
百合営業、まだ終わってないよな!?
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第13話B「炎上は、姉への最高の舞台」【天乃あすかの演技】
【SNS】
シロコロロ @shiro_kororo_voice
2025/06/17 10:05:00 JST ID:voice_produ_s
「恋愛スキャンダル」を分析。
炎上は、最高のプロモーション。
そして、姉の困惑は、最高の舞台。
計画通り、姉の全てを支配する。
#観察記録 #支配 #炎上商法 #天乃つかさ
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スマホの画面には、姉ちゃんのツーショット写真が映し出されている。
予想通り、炎上している。
内心で「キター! これは使える!」とほくそ笑む。
口角が自然と吊り上がるのを感じる。瞳の奥に狂気を宿す。
「天乃さん、今回の件について、事務所で一度お話があります」
マネージャーの天城さんの声が、困惑している。
ふふ。ご苦労様。
炎上は、私の創造。姉の困惑は、私の愉悦
マネージャー天城さんが困惑しているのをよそに、炎上を利用して姉の知名度をさらに上げようと画策する。
スマホの画面に映る炎上状況を、まるで自分の作品のように眺める。指先が微かに震えるほどの高揚感に包まれる。
SNSで匂わせ投稿や煽りコメントを書き込み、火に油を注ぐ。
ファンが「白派」と「黒派」で対立しているのを見て、小悪魔的に愉悦を感じる。姉の動揺する表情を見て、喉の奥が甘く鳴るのを感じる。
姉は、自分の意図しないところでバズっていることに、困惑している。
それが、たまらなく愛おしい。
姉の困惑する姿は、私の最高の舞台だ。
姉への支配、次なるフェーズへ
この「恋愛スキャンダル」は、単なる炎上ではない。
姉への支配を強化するための、次なるフェーズだ。
姉の人気が高まるほど、姉は社会の目に晒され、私の支配から逃れられなくなる。
夜、私は姉の隣に横たわる。姉は寝返りを打つたびに、身体を微かに震わせている。
見えない視線に怯えているのだろう。
私は、姉の頬にそっと触れる。その熱が、私の指先に伝わる。
「姉ちゃん、大丈夫だよ。私が、ずっとそばにいるからね」
そう囁く。姉は、それに気づかず、微かに身体を震わせた。
姉の炎上騒動を冷静に分析し、自分たちのユニット「しろくろボイス」をさらにバズらせるためのプロモーション戦略を練り始める。
姉の「困惑」すらも、私の掌で踊らせる人形のように感じる。
全ては、私の計画通り。
【SNS】
名無しの陽炎生徒 2025/06/17 15:40:00 ID:voice_fan_m
黒ちゃん視点、やばすぎ!
姉ちゃんの炎上をプロモーションに使うとか、マジで悪魔かよ!
でも、それが最高に尊い…!
名無しの陽炎生徒 2025/06/17 15:42:30 ID:mic_check_ok
妹ちゃんの戦略、恐ろしい…
姉ちゃんが可哀想になってきたけど、この歪んだ愛が最高に沼!
百合オタ女子 2025/06/17 15:45:00 ID:yuri_chan
白派と黒派のファン抗争、マジで最高!
妹ちゃんの支配欲が強すぎて、もはや芸術…!
この姉妹、どこまで行くんだ!
次回予告
あすか「ねえ、姉ちゃん。今度のグッズボイス、ファンからのリクエストで、『彼氏目線』の甘い囁き、挑戦してみない?♡」
つかさ「っ!?あすか、ま、まさかっ!?そんな、恥ずかしいこと…!」
あすか「ふふ。姉ちゃんの困った顔、ファンも喜ぶから、大丈夫だよ♡」
つかさ「ひぃっ!?あすかー!!」
第14話:グッズボイス収録地獄