表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/19

第11話:売れっ子との共演と「差を感じる」あるある

第11話A「憧れと、私を縛る声」【天乃つかさの演技】


【SNS】

天乃つかさ @shirokuro_tsukasa_official

2025/06/15 10:00:00 JST ID:shiro_kuro_t

今日は憧れの先輩声優さんとの共演でした…!

緊張したけど、本当に勉強になりました。

私もいつか、先輩みたいになれるかな…?

#憧れの先輩 #声優の仕事 #頑張るぞ


---


スタジオの空気は、いつもより澄んで、しかし重く感じられた。

今日は、憧れの先輩声優さん、カリスマ・イケボ先輩との共演。

緊張で、心臓がドクドクと高鳴る。


「では、カリスマ・イケボ先輩、こちらの台詞、お願いします!」

ディレクターの声が響く。


♬**憧れと、私を貫く実力**


カリスマ・イケボ先輩は、マイクの前に立つと、一瞬で空気を変えた。

完璧な滑舌、深い感情、そして圧倒的な存在感。

「一発OK!」

ディレクターの声が響く。

私は、ただ立ち尽くすことしかできない。

売れっ子声優の「一発OK」の演技を目の当たりにし、自分との圧倒的な実力差を痛感し、絶望する。まるで頭を鈍器で殴られたような衝撃と、全身が冷える感覚に襲われる。


休憩中、カリスマ・イケボ先輩がスタッフ全員に豪華な差し入れを持ってきてくれた。

私の手元には、コンビニで買ったおにぎりが一つ。

その豪華な差し入れを見て、格差を肌で感じる。

唇を噛みしめ、悔しさに顔を歪める。その唇から、微かに血の味がする。

「いつかあの人と肩を並べたい」と心に誓い、奮起する。


♬**ファンが望む「私」の形**


アフレコを終え、マネージャーの天城さんが近づいてきた。

「天乃さん、今回の出演作のイベントで、ファンからこんなリクエストが来ています」

スマホの画面には、SNSのスクショが表示されている。

「天乃つかささんに、ASMR生披露をお願いします!」「妹さんとキス演技ソロ!」「喉の限界の声、もっと聞きたい!」

ファンからの、具体的なリ、リクエスト……!?

しかも、私が嫌がるような、あの、喘ぎやキス演技のことばかり。

その言葉が、まるで鎖のように私の身体を締め付ける。

ファンは、本当にそう思っているのだろうか。

隣にいるあすかを見ると、ニヤリと笑っている。その瞳が、私をじっと見つめている。

私の声は、もう私だけのものじゃない。私の身体も、私の感情も、全てが誰かの望む「コンテンツ」になっている。

そう、あすかの望むがままに。


実力差に打ちのめされつつも、プロとしての向上心を燃やす。

妹のあすかとの絆も深まり、より高みを目指す決意を新たにする。

だが、この「高み」は、本当に私が望むものなのだろうか。


【SNS】

名無しの陽炎生徒 2025/06/15 15:30:15 ID:voice_fan_m

姉ちゃん、カリスマ・イケボ先輩との共演か!

一発OKはマジでレベチだよなぁ…

でも姉ちゃんの素直な演技も最高!


名無しの陽炎生徒 2025/06/15 15:32:40 ID:mic_check_ok

ファンからのリクエスト、マジでヤバいなw

ASMR生披露とか、妹ちゃんも絡んでるのか?

百合営業、ガチになってきたぞ…


百合オタ女子 2025/06/15 15:35:05 ID:yuri_chan

姉ちゃん、ファンからのリクエストに困惑してるの、可愛い…!

でも、それが最高に滾るんだよね!

妹ちゃん、もっと煽って!


---


第11話B「姉の絶望は、私の至福」【天乃あすかの演技】


【SNS】

シロコロロ @shiro_kororo_voice

2025/06/15 10:05:00 JST ID:voice_produ_s

「売れっ子との共演」を分析。

姉はまだ、「差」という限界を知らない。

そして、「ファンの欲望」は、最高の舞台装置となる。

全ては、姉への支配を強化するため。

#観察記録 #支配 #ファンの欲望 #天乃つかさ


---


スタジオの空気は、姉ちゃんにとって、重く、そして冷たいだろう。

今日は、憧れの先輩声優さん、カリスマ・イケボ先輩との共演。

姉ちゃんは、その実力差に絶望しているのが分かる。ふふ。


「では、カリスマ・イケボ先輩、こちらの台詞、お願いします!」

鬼頭ディレクターの声が響く。


♬**姉の絶望は、私の至福**


カリスマ・イケボ先輩の「一発OK」の演技を目の当たりにし、姉ちゃんは、ただ立ち尽くすことしかできない。

売れっ子声優の圧倒的な存在感に、姉ちゃんの顔に絶望の色が浮かぶ。

私は内心でほくそ笑む。姉の葛藤を間近で見つつ、自分ならどうやってあの先輩を追い抜くかを具体的に考える。

姉の顔に浮かぶ悔しさの表情を、カメラで追うように観察する。その苦痛の表情が、なぜか愛おしく感じられる。

先輩の豪華な差し入れを見て、「売れるってこういうことか」と現実を突きつけられる。姉が奮起する姿を見て、自分もさらなる野望を抱く。


♬**ファンの欲望を、姉に突きつける**


アフレコを終え、天城マネージャーが姉ちゃんに近づいていく。

「天乃さん、今回の出演作のイベントで、ファンからこんなリクエストが来ています」

スマホの画面には、私が仕込んだファンからのリクエストが並んでいる。

「天乃つかささんに、ASMR生披露をお願いします!」「妹さんとのキス演技ソロ!」「喉の限界の声、もっと聞きたい!」

姉ちゃんは、そのメッセージを見て、顔を赤くしている。

私は、姉ちゃんをじっと見つめる。その瞳に、動揺と、微かな恐怖の色が宿るのが分かる。

姉の身体は震え、呼吸が乱れる。

「姉ちゃんの困った顔、本当に可愛いんだから」

姉の耳元に、そっと囁く。

姉の全ての感情が、私の掌の上で踊っている。


姉の絶望は、私の至福だ。

姉を巻き込み、トップ声優の座を狙う新たな計画を練り始める。

全ては、私の計画通り。


【SNS】

名無しの陽炎生徒 2025/06/15 15:40:00 ID:voice_fan_m

黒ちゃん視点、最高すぎ!

姉ちゃんの絶望を娯楽にしてるとか、マジで悪魔かよ!

でも、それが最高に尊い…!


名無しの陽炎生徒 2025/06/15 15:42:30 ID:mic_check_ok

ファンからのリクエストを妹ちゃんが仕込んでるの、ヤバすぎる。

姉ちゃんの全てを支配したい妹ちゃん、マジで推せる!


百合オタ女子 2025/06/15 15:45:00 ID:yuri_chan

姉ちゃんのコンプレックスが妹ちゃんの喜びになってる構図、最高に歪んでて萌える…!

この姉妹、沼が深すぎる!


次回予告


あすか「ねえ、姉ちゃん。今度のファンイベント、私のプロデュースで、最高のステージにしてあげるね♡」

つかさ「っ!?あすか、ま、まさかっ!?私に何をさせるつもりなの…!?」

あすか「ふふ。姉ちゃんの困った顔、ファンも喜ぶから、大丈夫だよ♡」

つかさ「ひぃっ!?あすかー!!」


第12話:少し成長した主人公と「次なる目標」あるある

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ