十九話 これがユニーク装備なのか?(3)
「鑑定術」は魔法スキルの一種で、しかも上級魔法に分類されている。習得には高いハードルがあり、その代価はなんと金貨100枚。さらに錬金術を学ばなければ、鑑定術を巻物に加工することもできない。
一般的な鑑定巻物の値段は銀貨20枚。冒険者ギルドの会員なら5%割引で銀貨19枚になるが、決して安いとは言えない。そのため、本当に価値がありそうな装備以外には滅多に使われない。
しかも、高ランクの装備には一枚では鑑定が成功しないこともあり、何枚も使う必要があることも。それか、さらに高額な上級鑑定巻物を使うか、直接術者に鑑定してもらうしかない。
ちなみに、上級鑑定巻物の作成はとても困難で、製作費は金貨20枚以上。それゆえ、ダンジョンで装備を入手し、即座に性能を確認しなければならない状況でなければ、たいていの人は町へ戻り、ギルドでの鑑定を選ぶ。
ギルドで術者に鑑定を依頼する場合の料金は、だいたい金貨2枚程度。習得コストを考えれば、これはむしろ良心的な価格と言える。もし本当に強力な装備なら、誰もその2枚をケチったりはしないだろう。
安寧の町の冒険者ギルドでは、鑑定術を扱えるのはギルドマスターのフィル一人きり。冒険者ギルドが販売している巻物もすべて自身の手によるものだ。
そんなフィルに案内され、アイリとジルはギルドの二階にある作業室へと足を踏み入れた。
室内は質素で、加工前の巻物が山積みされた作業机と、いくつかの錬金素材が置かれているだけだった。
「ここで装備鑑定を依頼されるのは、もう久しぶりだよ」と、フィルは机の上を片づけながら言った。
「お見苦しいところをお見せしてすまない。では、装備をここに置いてくれ。」
「いえ、そんなことありません。」
アイリはそう言って、ショルダーバッグから装備を取り出し、机の上に丁寧に並べた。
魔法のローブ、ネックレス、魔杖、ロングブーツ、それに黒い手袋──まさに一式の装備だった。
一見するとどれも地味で、ルーンの刻印も見当たらない。もし宝箱から手に入れていなければ、アイリ自身もこれが強力な装備だとは信じられなかったかもしれない。
フィルはいくつかの装備を手に取って丁寧に観察し、その表情が次第に真剣なものへと変わっていった。
「……これは驚いたな。間違いなく一式のセット装備だ。それも、かなりの高ランクだと思われる。まさかグラのダンジョンから、こんなセットが出るなんて……」
「やったね、姉御っ!」
ジルがぱっとアイリのほうを向いて。
「では、これより鑑定を行います。通常の方法だと鑑定巻物を使い、成功すると装備の情報がその巻物に記録されます。しかし、今回は私が直接《鑑定術》を用いて、白紙の巻物に情報を書き出す形を取ります。」
その説明に、アイリとジルは同時に表情を引き締めた。ジルはごくりと大きな音を立てて唾を飲み込んでしまったほどだ。
「ま、まあそんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。鑑定そのものはすぐに終わりますし、危険もありませんから。」
そう言ってフィルは巻物を片手に、もう片方の手を装備へとかざす。
青白い光がぱっと輝いた。
「これで一つ目、完了です。」
「えっ……は、早っ!?」
ジルが目を丸くした。
「私も、もっと時間かかると思ってました。」
「ふふ、まあ……巻物を作る工程に比べれば、鑑定そのものは単純ですからね。」
そんなやりとりを交わすうちに、五つの装備すべてが次々と鑑定されていった。
そして──
全ての装備に込められた本来の姿が露わとなった時、そこにはもはや地味だった見た目はどこにもなく、ただただ神秘的な威圧感だけが漂っていた。
それは――
《幽月の亡霊》と名付けられた、ネクロプリーストのために作られた強力なセット装備だった。
幽月のローブ(魔法ローブ)
濃紺と暗銀色の布で編まれ、足首までの丈。胸元には銀白の新月紋様が刺繍されており、生地は柔らかく軽やか。
• タイプ:防具(胴)
• レアリティ:ユニーク
• ステータス補正:
○ 魂の力 +10%
○ 回復魔法の威力 +15%
○ 闇属性耐性 +20%
• 特殊効果:
○ 【月光の祝福】:回復系魔法を発動した際、10%の確率で次の回復魔法が即時発動&消費なし
○ 【静かな詠唱】:詠唱中にダメージを受けても、最大35%の確率で詠唱中断を防ぐ
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亡者の護符
チェーンに蒼く輝く宝石がぶら下がっており、淡く光を放っている。
• タイプ:アクセサリー(首)
• レアリティ:ユニーク
• ステータス補正:
○ 魂の力 回復速度 +15%
○ 詠唱速度 +10%
• 特殊効果:
○ 【霊紋共鳴】:回復系魔法を3回使用するごとに、4回目の回復量が+50%
○ 【清心】:沈黙または封印状態になった際、30%の確率で自動解除(クールタイム60秒)
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月詠の杖(魔法杖)
死の気配に染まった特殊な木材と黒曜石で構成され、杖の先には魔法効果を増幅させる宝石がはめ込まれている。
• タイプ:武器
• レアリティ:ユニーク
• ステータス補正:
○ 魔法攻撃力 +20%
○ 回復魔法の効果上昇率 +12%
○ 詠唱速度 +18%
• 特殊効果:
○ 【月光リンク】:回復時、25%の確率で対象に追加のシールドを付与(6秒間、回復量の50%を吸収)
○ 【二重の響き】:120秒ごとに最初に使用する広範囲回復スキルの消費が半減
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夜風の長靴
魔法皮革で作られ、靴口には月を模した模様が施されている。
• タイプ:防具(足)
• レアリティ:ユニーク
• ステータス補正:
○ 移動速度 +15%
○ 回避率 +8%
• 特殊効果:
○ 【静歩】:詠唱中に移動しても敵対心が上昇しない
○ 【影歩】:戦闘を離脱後、移動速度がさらに+20%(持続10秒)
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暗影の手袋(黒のグローブ)
黒いベルベット素材で仕立てられている。
• タイプ:防具(手)
• レアリティ:ユニーク
• ステータス補正:
○ 魔法制御力 +15%
○ スキルのクールタイム短縮 5%
• 特殊効果:
○ 【月影調和】:魂の力が20%未満になった際、自動的にすべての回復スキルの効果を+30%(5秒間/クールタイム120秒)
○ 【導き】:持続回復スキルの持続時間を+2秒延長
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セット効果(装備数2/3/5の時)
• 2点効果:
○ 回復魔法の魂の力消費 -10%
○ 回復対象の魔法防御 +10%(持続10秒)
• 3点効果:
○ 詠唱時、「月影の守護」状態を獲得:詠唱中の被ダメージ -10%
• 5点効果:
○ 【夜月の加護】:魂のエネルギーが30%以下になった時、自動発動:
・最大魂エネルギーの30%を即時回復
・「幽月の静護」状態に入る(5秒間、あらゆるダメージと妨害を無効化/クールタイム120秒)
鑑定結果をじっと見つめながら、驚いているのはアイリとジルだけではなかった。フィルさえも、目を疑うような表情を浮かべていた。
「まさか……ここまでの装備だったとは。信じがたい……このセットは、もはや金貨で価値を測るような代物じゃない。公会の倉庫にあるどんな装備と比べても、一つとして敵わないだろう……」
「でも、姉御にはピッタリの装備ってわけじゃないんですね……」
ジルは少し肩を落としながら、視線を装備から外した。
「ジル、そんなにがっかりしないでよ~! たとえ自分に合ってなくても、今はお金があるんだし、ちゃんと自分に合った装備を買えばいいんだよ~」
「それじゃあ、姉御、この装備……売っちゃうつもりなんですか?」
その問いに、フィルが慎重な口調で答えた。
「実のところ、もし君たちに合わない装備だったら、公会で高値で買い取る予定だったんだ。しかし、これほどの価値を持つ装備となると、安寧の町の公会では引き受けられない。たとえうちの最上級の装備と交換しても、君たちが損するだけになる。もし本気で手放すつもりなら、聖火の都のような大都市でなければ話にならないね」
「売るつもりは……ないと思うな」
アイリはジルの頭を優しく撫でながら、微笑んだ。
「こういう装備って、狙って手に入るものじゃないでしょ? 一度手放したら、もう二度と出会えない気がするんだよね。それにさ――」
「私たち、まだ“ネクロプリースト”の仲間、足りてないよね?」
最近、台湾のLINEのグループやFacebookでは、ほとんど「紅叔」の事件の話ばかりで、関連情報があふれてる。本当にすごい騒ぎになってて、ちょっと異常なくらい。
日本でも話題になってるのかな~(もし見かけなければスルーしてもOK、でも検索するなら心の準備は必要かも)。
本当に不気味な事件で、理解が追いつかない……。
時々、現実のほうが小説よりよっぽど奇妙だと思わされるよね。




