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十九話 これがユニーク装備なのか?(1)

「やったぁぁぁ!!」

リーナは両手を上げて歓声をあげると、そのままくるくる回り始めた。

「こんなに長い間、ようやく業績ができたわーっ!!」


そのままアイリに抱きつく。

「ありがとう、アイリちゃん……!ここ数か月、追加のボーナスなんて一度も出なくて、私がどれだけ苦しかったか分かる? うぅぅ…最近は新しく転生してくる子も本当に少なくて…!」


「そんなに新人って少ないんだ?」

アイリはちょっと考え込む。自分が転生した時も一人だけだった気がするし、ランプ男も『最近はあまりいない』と呟いていたのを思い出した。


「でもね、ジルが目覚めたときは、まわりに何人かいたよ?」


「どれくらい?」


「10人くらいだったかな…よく覚えてないけど。みんな私のこと無視してたから。」


「それなら少ない方だね。昔は一度に百人以上も転生してたらしいよ。転生の尖塔が人でごった返してたんだって。私もそんな光景は見たことないけど、古参の人から聞いたことがあるの。」


リーナは少し目を伏せる。

「この十年くらいでね、新しい転生者がどんどん減って、ここ数年は本当に信じられないほど少なくなったの。しかも、冒険者になれる子も少ないんだよ。私は普通の人だから、最低ランクのスケルトンやゾンビすらまともに倒せないし。だから公会も誰でも会員にするわけにはいかないの。無理してF級の依頼を受けて、何かあったら大変だからね。一定以上の力がないと認められないんだ。」


「ちゃんと選別してるんだ…」

アイリは少し驚いたように目を丸くする。

「てっきり、誰でも入れるんだと思ってた。」


「そんなことないよー!だって、アイリちゃんたちがグラ王の墓を攻略したって聞いてたから、絶対入ってほしいって思ったんだもん!こんなすごい新人、めったにいないんだから!」


「確かにすごいよね。」

ココリも頷く。

「二人が第二層の大広間まで行ったのを見たとき、本当にびっくりしたよ。普通、新人なんて第一層でしばらく耐えるだけで精一杯なのに。」


「しかも、いまはココリちゃんがお墨付きをくれてるし!」

リーナは嬉しそうにカウンターから二枚の石板を持ち上げると、ぱたぱた手を振った。

「さあ、いま入会手続きをしちゃいましょう~!」


そう言って、石板をそれぞれアイリとジルに渡す。

「これが公会のメンバー証ね。これに魂の刻印を残すだけで登録完了だよ。町に入るときの登録方法と同じだから簡単でしょ?印を残したら自分で持っておいてね。依頼の受注やポイントはこの石板に記録されるから、絶対なくしちゃダメよ?まあ、盗まれても他人が使うことはできないけど…再発行には手数料がかかるんだから!」


アイリとジルが石板に印を刻む間、リーナはカウンターの奥へ戻り、トレイを取り出して台の上に置いた。

「さあ、それじゃ資源の換金を始めましょうか~。ジルちゃん、たくさんコインがあるって言ってたよね?」


「うん!」

ジルは石板をしまうと、背伸びをしながらショルダーバッグを持ち上げ、トレイに向かってひっくり返した。


ジャララララッ…


金属がぶつかり合う音と共に、無数の金貨がどさっと溢れ出し、あっという間にトレイを埋め尽くし、さらにカウンターの上にも転がっていった。


「こ、こんなに…?」

リーナもココリも目を見開いて絶句する。


普通、グラ王の墓なんて何年も攻略され尽くしているから、古い金貨が数十枚見つかれば大収穫なのだ。それが、目の前に溢れ返っているのは…ざっと見ても千枚以上。


その光景に、公会の他の冒険者たちも息を呑んで振り返る。


「う、嘘だろ…?」

「どれだけ運が良ければ、こんなに拾えるんだ?」

「まだ未踏のダンジョンが残ってるのか…?」


「こ、こんなに大量に回収するのは…初めてだよ…」

リーナは目を瞬かせて、感情が追いつかない様子だった。


けれど、これだけの金貨を換金するということは…取引額が大きい。つまり、自分の業績も大きいということだ!

会員向けの手数料免除は公会の販促キャンペーンだから、リーナの成績には一切関係ない。


一気に、アイリとジルの株がリーナの中でグンと上がった。


我に返ったココリが、ハッとして口を開く。

「もしかして、第二層でまだ発見されていない部屋を見つけたの?」


「そうだよ~!」


「しかも装備も一式あったんだよ!」

ジルが補足する。


「装、装備…?しかも一式?」

リーナは言葉を詰まらせる。先ほどまでは「新人の装備なんて大したものじゃない」と高をくくっていたのだ。しかし、これだけの金貨とセット装備…。これは只事ではない。


「たぶん、一式だと思う。」

アイリは少し考えた。当時、確かにあの宝箱の中で一緒に手に入れたんだし……たぶんセットなんだろう。


「そ、そう…!ちょっと待ってて!会長を呼んでくる!」


リーナは慌てて両手をひらひらさせて「待っててね!」と合図すると、そのまま横の階段を駆け上がっていった。


「会長~~~っ!!」

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