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長い長い”大切なお話”

始まった、始まってしまった。

長い”大切なお話”が。


(これを楽しく聞く方法とかないのかな?)

そう考えるも、多分ないことは俺も分かっている。



「えー、君達、2・3年生にも新しい後輩という仲間が出来ます——」


後輩か‥‥。

上手いやつ入ってくるのかな?

俺はバスケ部に入っていて、3年生が10人、2年生が14人だ。

俺はレギュラーとして、大会の試合には出れていないが、14人の2年生の中だと、だいたい5番目くらいの実力だと思う。


(運が良ければ、3年生が抜けたあとは試合に出れるかな?)


『運が良ければ』それは、大悟がいい例だ。

大悟もバスケ部に所属しているが、一年生の頃から普通に大会でも、今の3年生を抑えてレギュラーとして出場している。


(ホントにカッコいいやつだよ。)


「はぁ‥‥」

「なんだよため息なんか吐いて」(小声)


俺のため息に気付いて隣に座る大悟が声をかけてくる。‥‥何かと縁のあるやつだよな。


「いや、3年生が引退したあと、俺がレギュラーになれるかなって。」

「あぁ‥‥、まぁ運が良ければ?」

「大悟に言われるのは腹立つな。」

「何でだよ!?」


女子が太ってても人から『太った?』って言われるのが嫌みたいな?

自分で自覚するのは良いけど、他の人に言われるのは‥‥みたいな?


「はあ‥‥、それより今年入るかもしれないマネージャーについて話そうぜ!」

「嫌だよ。」

「なんで——」

「——お前にしかマネージャーの視線がいかないからだよ!」


大悟はモテる。

例えば、今いる2・3年生にはバスケ部のマネージャーは1人ずついるが、大悟がバスケ部に入ったその日に告白されるくらいにモテる。

‥‥本当に世の中は不公平だ。


「‥‥なんだそんなことか。」

「なんだって何だよ!」

モテ男には非モテの気持ちが分からないらしい。


「だって俺、直人のこと好きなやつ知ってるもん。」

「‥‥!、それってもしかして!」

可能性に縋ってしまった。本当にこんな自分が嫌になる。


『———2年1組、竹中直人さん少し騒がしいです。後で残りなさい。』

「え‥‥?」

皆んなの視線が一斉に俺へと切り替わるとともに俺への長い長い”大切なお話”が確定した。



「はぁ‥‥。」

ため息しか出ない。

どうやら、可能性に縋っても、結局その人物の名前は分からず、その上、教頭先生に呼ばれるという最悪の展開で終わったようだ。


「くくくっ!」

兄だけはずっと笑っていた。後で蹴り飛ばしに行こう。

‥‥まぁ、それでも憎めないのが兄の凄い所なんだろうけど。


つい、大きな声が出るほど縋ってしまったんですね。

他の作品もそろそろ投稿していきたいですね。


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