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神楽とのお話

立ち直れていない俺は、今日もベッドに座っていた。

兄さんはスゴイ人だった。

誰からも頼られて、

誰からも信頼されて、

誰からも尊敬されて、

誰からも愛されていた兄さん。

そんな兄さんが”俺”のせいでいなくなってしまった。何の役にも立っていない俺のせいで。


「俺が‥‥俺が‥‥俺が死んだ方が‥良かったのかな?」

そんなネガティブな言葉ばかりが溢れて来る



「そんな訳ない!直人が死んだ方が良いなんてこと、絶対にない!!」

「か、神楽?‥‥ど、どうしてここに?」

神楽が俺の部屋を勢い良く開けて、俺のネガティブをぶった斬る。


「直人が全然、学校に来なかったから心配になって来たの!」

「大丈夫だよ、俺は‥‥大丈夫だよ。だから、ここに———

———ダメ!そんな顔してる直人を置いていける訳ない!」

「‥‥‥、」


俺だって、分かってる。自分が今、ちょっと危ういことくらい。でも、こんなことに神楽を巻き込みたくない。



「私は‥‥昔からずっと、直人に助けられてきたの!だから、そんな私を‥気遣った顔で見ないで!今度は私に助けさせてよ!!」

「!?、‥‥‥俺は神楽を助けたことなんてない。俺たちを助けてくれてたのは、兄さんだ‥‥。」

そうだ、兄さんだいつも誰かを助けて、誰かの役に立てていたのは兄さんだ。



「直人は‥‥覚えてないの?私達が小学校1年生の時、溺れた私を助けてくれたのを‥‥。」

「あ、あれは‥‥俺たちを最後助けてくれたのは兄さんだ。俺じゃない、俺は‥‥俺も溺れてただけだ。」

俺は、誰も助けられていない。

誰かの役に立ててなんかいないんだ!



「そう‥‥直人は”そう”思ってるだね。‥‥でもね、私はね、直人があの時、来てくれて本当に嬉しかたんだよ?」

「‥‥‥‥!!」

「溺れて心細くなった時に、すぐに直人が来てくれて、『あぁ、大丈夫だ』って思ったんだよ?」

「そ、それは‥‥そうかもしれないけど———

———私の本当の気持ちを否定しないで!」


‥‥あぁ、また”同じ”ことを言われてしまった。兄さんにも注意されたのに‥‥。



「私は‥‥私は‥そんな直人だから、好きになったの!」

「えっ!!?」

「‥‥だから、今日ここに来たのは全く下心がなかった訳じゃない。」

「‥‥‥。」

衝撃的な言葉で頭が真っ白になってしまった。



「聞かせてよ、直人がどう思ってるか‥‥。」

「お、俺は‥‥」

どうしよう、上手く答えがまとまらない。


「‥‥ごめん、勢いに任せて、強引過ぎた。返事はまた後日でも———

———待って!今‥‥答えるから。俺は‥‥‥神楽が好きだ!」

「う、ん‥‥。」

神楽は凄く嬉しそうで、そのことが堪らなく嬉しかった。


「でも、俺は”まだ”神楽と付き合えない‥‥。」

「”まだ”?‥‥それって、どういうこと?」

「ごめん、言葉が足りてなかった‥‥。俺は神楽が好きだ‥‥けど、まだ、心の準備が出来てない‥。だから、心の準備が出来た時に俺から告白をする、それまで待っていて欲しい‥‥。」

「分かった、待ってる‥‥ずっと待ってる‥‥!」



神楽は俺に、とびきりの笑顔を見せた。

‥‥俺のやっていることはかなり酷いことだと思う。

好きだって言って、待たせているうえに、その待つ時間も定かではない。

もしかしたら、1ヶ月で終わるかもしれない。

もしかしたら、1年経っても、10年経っても終わらないかもしれない。


‥‥でも、だからこそ、俺は神楽に気持ちをもう一度伝える。何年経ってでも。

これで一旦、終わりです。

あとがきも一応、投稿したので是非、見てくださーい。


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