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嫦娥は悪女を夢見るか  作者: 皆見アリー
第1章
29/167

27 仇との邂逅

注意! 暴力的な表現が続きます!苦手な人は気を付けてください


完結済作品。週2回更新中!

「女将、この娘を所望する」

地方官は娼館の女将に声をかけた。女将も自分の娼館のものではない、ほかから借り受けた下働きのものだと説明したが地方官は納得しない。

女将だけでなくほかの女たちもおびえるリァンではなく自分たちに意識を向けようと必死だが、地方官はうっとおしそうに手を振る。

「順番に相手してやるからまあ待て」と言わんばかりだ。

リァンは地方官にきつく肩を抱かれ、地方官のために用意された部屋に引きずられるように連れていかれる。

多くの女たちが憐れみの目を向ける中、宿屋の姐さんたちが飛び出してきた。

「地方官様、そんな貧相な小娘よりも私共をまとめてお相手くださいませ」

その声を聞きつけ、娼館の女たちも、

「わたくし、舞が得意ですのよ」

「地方官様のお好きな曲はなんですの?ぜひ、琵琶を」

「いえいえ、わたくしの歌を」

「いっそのこと宴を開いては??」

女たちは口々にそうだそうだという。地方官は自分の腕の中で涙を浮かべおびえる女とほかの女たちを見比べる。

「お前はなにが得意だ?」

問われた問いがわからず地方官の肩越しに見えた姐さんたちが何も答えるなと言わんばかりに首を振る。

リァンは体を震わせながら首を横に振る。

「ほお、得意なものはないと?」

リァンは声を出さずに首を横に振った。

震えに必死に耐える様に湧き上がる欲は、震える唇に注がれた。

少し開いた玉虫色に光る唇から、少し荒めの息が漏れたのを聞きつけて、リァンのあごに指をかけて上に上げ、親指で唇をなぞった。

「得意なものはあるのかないのか、この唇は語らぬのか?」

「・・・ありません・・・・」

やっとのことで出した声が地方官の加虐心を刺激した。

怯えた涼やかな声音。

この声をもっと怯えさせたい、甘く鳴かせたい、悦び喘がせたいと。

「私は舞も好きだ。琵琶も好きだ。歌を合わせてほしいものだ。宴もよい」

地方官が言うと、女たちの間に安堵が流れる。あのおびえた娘が解放されるのではないかという淡い期待だ。

地方官はニタリと笑みを浮かべた瞬間、女たちが絶望に染まる。

「だがいらぬ。お前、得意なものがないというならその声で私の無聊を慰めろ」

そういって地方官はリァンを部屋へと引きずり込んだ。

扉がばたんと閉まり、ガチャリと内鍵の閉まる音が響いた。


地方官はそのまま寝台のある奥の部屋にリァンを引きずり込み、寝台に押し倒す、

必死で抵抗するリァンの腕を片腕で押さえ、片方の足で脚を押さえた後もう片方の間に足を挟む。

リァンの着る服の帯を器用にほどいていき、あっという間にリァンの素肌が地方官の目の前にさらされる。

「おやめください!!!」

地方官はリアンの胸元から首筋に沿って舌を這わせた。

「いやぁ!!」

喘ぎ声とも悲鳴ともつかない声が漏れる。

「よいよい、お前の声は良い。よいぞ」

そういいながら、リァンの上半身にその舌を這わせながら、自身の服も器用に脱いでいく。

リァンの豊かな柔らかい双丘を特に気に入ったのか、唇を押し付け舌で嘗め回し放そうとしない。

リァンの口から悲鳴と喘ぎ声が漏れる。

自身の服はすっかり脱いでしまうと今度はリァンのスカートの中に手を入れ、スカートもはぎとる。

「おやめ・・・ください・・・本当に・・・お願いします・・・」

息も絶え絶えに涙をこぼしリァンは地方官に懇願する。

「悦んでいるくせにこざかしい」

リァンの喘ぎ声が最も大きくなる双丘に舌を這わせる。

その色づく先端をゆっくりと執拗にねぶる。

悦びあえぐ声に満足したのか、「その声をもっと聴かせよ」とするりと脚の付け根にその手を潜り込ませる。

その場所がひどく濡れていることに気づき、ニタリと下卑た笑みを浮かべる。

「そうか、そうか、そんなに良いか」

地方官がリァンの脚をさらに押し広げ、躊躇なくおし入ろうとしたとき、寝室の扉が開き、地方官よりも年上の同じく卑しい表情の男が入ってきた。

「さっそく見初めましたかな?」

その声にリァンは喉を鳴らす。ありえないと思った。男は地方官に組み敷かれ、裸に剥かれた娘を見て目を瞬かせた。

それから卑しい笑みを顔中に浮かべた。

「よい女を見つけましたな。その娘は我が商売敵の娘。殺してやった彼奴の代わりに母親ともども引き取って慰めようとしましたが、母親が強情でね。仕方なく金を払って何度か抱いて慰めました。薬を盛ったらツンケンした女が甘く可愛くなりましてな。今思い出しても体が疼きます。それそこの水差しに薬を仕込んでありますので、お試しあれ。その後の娘の行方はようとしれませんでしたが、そうか、地方官様に愛でられるとは運のよい」

卑しい笑みに、父と母に対する侮辱に体中の血液が沸騰する。

自嘲気味に笑う母親の姿が思い出される。

「可愛がってもらえ」

男はおかしそうに笑う。リァンの父や母に対してひどい優越感を感じたのだろう。地方官に裸に剥かれ組み敷かれる商売敵の娘など、面白おかしく脚色して巷に流してやろう。愉快でたまらぬと男は上機嫌だ。

「やめてぇぇぇ!!!」

笑い声とともに寝室の扉がばたんと閉まり、地方官はリァンのなかに無理に自身を押し込んだ。


次回更新は10月15日です!

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