表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫦娥は悪女を夢見るか  作者: 皆見アリー
第2章 砂漠の姫は暁をもたらして
141/167

砂漠の姫は暁をもたらして 24

今後の央都が荒れることを考えたら、東と西との関係は友好的でないと困る。

北の帝都は遠く、東北は大河が流れていて東の王都からは物理的に切り離されている。

大河の北部の大地のさらに北には砦を築いてあり、何世代にもわたって東北の侵入を阻むため受け継がれている。

時々西回りで攻めてくるものもあるが、どこから来るかが分かれば対策を取ることも可能だ。

南は足元が落ち着きつつあるが、商人の行き来はともかくまだ外交で干渉してくるには時間がかかるし、砂漠の最初で最後の町を通らねば央都には入って来られない。


今後荒れるであろう王都、そして勢いづく東北との関係を考えるなら、これ以上の揉め事を持つことは良いことではない。

そのため、西と南を見張るのに適している砂漠の最初で最後の町に多少の花を持たせるのもやぶさかではないし、協力をしてくれるのなら多少の無理もしようと考えている。

むしろ、旧皇帝が自治権を町に取られた矢先だ。

新しい皇帝が自治権をそのままに、むしろより友好的だと思われれば、余計な火の粉を被らなくて済むだろうし、最悪、町で余計な火の粉を止められるだろう。


どの町も厄介な者が多いが、交易の中心であらゆる人種との交流が多い辺境の民は一筋縄では行かない。

央都流の根回しや機微を読むことは彼らはないし、むしろ西も南も北もと様々な流儀を取り入れてあたかも自分達の掟だと言わんばかりの強気の交渉だってしてくる。

そんな連中を自分の思い通りに支配できたら良いが、物理的な距離に彼らの性質を考えたらよほど強大な国でなければ無理だ。

であれば友好的な態度でお互い有益な関係を取れれば良い。

時々様子を見て手綱は握らねばならないが…


そんな経緯があって、アイシャと子と母親を連れてきたのだが、当のアイシャが限界に来ていた。


慣れない勉強ってストレスたまるのよね。

慣れるまでの辛抱なのだけれど…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ