表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫦娥は悪女を夢見るか  作者: 皆見アリー
第2章 砂漠の姫は暁をもたらして
140/167

砂漠の姫は暁をもたらして 23

いくら必要なこととはいえ、西の言葉を教えることも教わることも生半可なことではなかった。


リァン自身子どもの頃に隊商の男達が会話や計算を教えながら西の言葉を習得した。

宿屋で働き始めてから学んだことも多い。


西に引き渡すまでの間、アイシャに教えられることは何かとリァンは考えた。

日常の細々した物、必要な物の名前を西の言葉でいうことと、普段の生活における定型文を使えるようになることだろう。

そんなことを考えたが、膨大な量があるので教える方も教わる方も数日でぐったりした。


いくら敷地内は移動できると言っても屋敷の中に居続けるのはじゃじゃ馬娘には窮屈だったらしい。

1週間も経つ頃には溜まったストレスのせいか明らかにイラついていた。

「アイシャ様」

「お嬢様」

ユエとライに諌められるもアイシャはムッとした。

「ユエもおじ様も少しくらいわかって!これでは皇太子妃の生活と変わらないわ!」

「だいぶ違うと思いますが」

「そんなことないわ!!毎日毎日同じメンツで同じ景色を見ているのよ。話題も同じだし。商家の娘のフリをしていた時が一番自由だったわ!」

アイシャはぷりぷりとしている。


ライがこの娘と関わるようになったのは、元婚約者の墓参りに訪れた時だった。

あの男を手にかけたこと、君を心から愛していたこと、ちゃんと言葉と態度で伝えればよかったと今更ながら後悔していること、巻き込んで辛い目に遭わせた娘にはこれから一生をかけて謝罪するつもりだと、そんなことを彼女に伝えた。

彼の実家と元婚約者の実家が持っていた皇帝の血族の不正と悪事の証拠をばら撒いた。

そんな経過報告も含めて何度目かの墓参りで、寺の僧侶に捕まった。

捕まって、連れて行かれた先にいたのが、アイシャの母親だった。

あの男の姉とはいえ、本家筋に嫁いだ身のため、謹慎という名目で寺に預けられているという。

皇太子妃となった娘を助けてほしいと言われた。

初めは助ける気もなかったが、子どもが明らかに西の血統であること、集めていた噂やゼノとの情報交換の中で出てきた噂と合致した。

アイシャから話を聞けばほぼ間違いはなかった。


「であれば、西との交渉材料になってもらうことにしよう」と思い、西に向かっていくつかの噂を流した。

西も積極的に情報を集めていたのだろう。

思いの外早く食いついてきた。

本家筋も厄介払いかつ交渉材料になればということで、アイシャと母親を西に逃す段取りをとってくれた。

その際に、旧皇帝派にも新皇帝派にも話が伝わり命が狙われるようになったが。

とはいえ、どちらもアイシャの子が旧皇太子の子と思っている節があった。


この機会に有能なものや情報をうまく操れるものなどを選別し、登用しようと考えた。

初めはゼノもライに協力すべきか考えたようだが、ザイードからも似た話が舞い込み、協力をしてくれることになった。


ちょっと説明が長いか…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ