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嫦娥は悪女を夢見るか  作者: 皆見アリー
第2章 砂漠の姫は暁をもたらして
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砂漠の姫は暁をもたらして 18

あけましておめでとうございます。

お待たせしました!

再開します

ヤンが部屋に戻ろうとすると、アイシャと母親の部屋に招かれた。

母親は寝室で休んでいるが、アイシャはこどもを抱えて退屈して、ゆっくり休めなかったところを部屋の前で話をしていた、リァン、ライ、レンカ、ザイードを部屋に招いたという。

「だって、同じ部屋にいたら護衛しやすいでしょ?」

と言うことらしい。



「それに…」

目をやればラズという名の子どもがリァンに抱かれていて、両手をリァンの胸において幸せそうにすり寄っていた。

「私が抱いているのではご不満みたいなのよ」

レンカもリァンもとろけそうな笑みを見せているが、入ってきたヤンがわかりやすくイラっとしたのでザイードはニヤリと笑った。

「兄ちゃん、カド義兄さんの気持ちがわかるだろ?」

「義兄さんの?」

「ファナ姉さんが兄ちゃんたち弟や息子たちを胸に抱くたびにわかりやすく笑顔で嫉妬してるからな」

「カド義兄さんは口には出さないけど、『俺のだ』って言っているね、目で」

「おなじ目つきだ。君の方が殺気だってるがな」

ライにもからかわれて、眉間を指でごしごしとこすった。


とはいえ、リァンの胸をぽんぽんと叩いたり、触ったり、揉んだりしている小さな手を見ればカドの気持ちがよく分かった。

そもそも自分達が姉の胸を触るのではなく、姉が胸に抱くのが好きなのだ。

子どもの頃は嬉しかったけど、大人になってからは恥ずかしいというか、居た堪れなかったし、義兄の目つきが怖かった。


あいも変わらずリァンの胸に擦り寄る子どもにイライラしつつも、そんな自分はかっこ悪いし、情けない。とはいえ、いくら小さな子どもとは言え、男に自分のものを弄ばれるのは面白くない。


ヤンの怒りが伝わったのか、びゃーっと声を立てて、子どもが泣き出し、リァンの胸に顔をうずめてしまった。

リァンが子どもを腕に抱いて、あやすとますますリァンの胸にすり寄るのだから、イライラして仕方なかった。

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