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嫦娥は悪女を夢見るか  作者: 皆見アリー
番外編
113/167

星を読む 4

「イオ…」

名前を呼ばれて意識が戻ったのかと思ってテベルの元に駆け寄ったが、これが最後の語らいだと気づいた。

「イオ…俺の名をもらってくれ…俺には子もないが、名をもらってくれると嬉しい」

「うるせぇ。元気になってさっさと嫁でももらえ」

「イオ…名を変えて世界の中心へ行け。お前は世界の支配者にもなれるぞ。誰かの幸せのために命を落とすが…」

「なんだよ、それ」

「イオ…俺に付き合ってくれてありがとうなぁ…」

「これからもいくらでも付き合うから、さっさと良くなれ」

「イオ…イオ…幸せになれよ…イオ…」

テベルの目から光が消えた。

「おい!!テベル!!テベル!!」

イオが名前を呼んでもテベルにはもう届かなかった。


翌朝、冷たくなったテベルをイオは埋葬した。研究所や観測所はそのままにしておいた。

その夜、テベルの名を一部もらった。

テベルとイオをくっつけた名前にしようと考えた。

テベルのことを忘れないように。

テベルが生きるはずだった時間を共に過ごすために。

見上げた夜空でイオはこれから自身に起こることを全て知った。

夜空の星に全てが描かれていた。

「世界の中心…世界の王。俺の…娘…?」

無我夢中で星を書き写した。

書き写して読み解いてを何日も繰り返し、そのままその場所に倒れた。


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