37、天使姉妹と吸血鬼、出かける
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「起きてください、いつまで寝ているつもりですか?」
身支度を整えている最中、リルさんは眠い目をこすりながら起きてきましたがラミ姉に関してはいつまでも間抜け面で眠っていました。
なので、身体をゆさゆさしてやります。
「んー今起きるから揺らさないで、うぇぇ⋯⋯」
いつかの私の様な反応するラミ姉を置いて、私は鏡で服装チェックをします。
次いつ一緒にお出かけ出来るか分からないので、柄にもなく気合を入れてしまいました。
いつもの襟付き黒ワンピースではなく、可愛らしいリボンの着いたシャツに、フリフリの着いた黒スカートを身に纏っています。
自分で着といてなんですが、人生でほとんど着たことの無い部類のものなので、恥ずかしさでいっぱいです。
「う、んー今起きた」
ラミ姉は寝起きで気だるい身体を引き起こし、「妹の匂いがしたー」と目を瞑りながら寄ってきました。
「もう、目開けてください。せっかく妹がオシャレしたんですよ?」
「あはは。私レミがオシャレした所なんて見た事ないよー?騙されないよー」
目を瞑りながら笑うラミ姉。確かに引きこもってばかりだったのでオシャレの概念はなかったですが、こうも否定されては悲しいものです。
「じゃあ一生目を瞑っていて下さい」
「お、怒んないでよ。開ける、開けるから」
ラミ姉は恐る恐る瞼を開けました。
と、同時に口がガクンと開いたまま、閉じなくなってしまいました。空いた口が塞がらないとはこの事なのでしょう。
「レミ⋯⋯?」
「に、似合わないなら着替えます」
いつも私を可愛いとチヤホヤしてくれる姉の前なので、調子に乗ってしまったのかもしれません。予想外に落ち着いたトーンでの反応に、ふと我に返りました。
慣れないこと、しなければ良かった。
「可愛いよ!!レミ!!」
「へ?」
「可愛いすぎて反応が遅れた!ごめん!」
そのままの勢いで抱き着いてくる姉を受け止め、ホッと溜息をつきます。
たまには慣れないことをしてみるのもいいのかもしれません。
「普段着ないような服きて、何かあったの?」
「今日お出かけしたら次いつお出かけできるか分からないので、オシャレするのもありかなと」
ラミ姉は姉想いのいい子だと頭をわしゃわしゃと撫でてくれました。
服装と比べて目立ちませんが、実は髪の毛もオシャレしていたんです。
ラミ姉のせいでボサボサになりましたが。
「あれ?なんか怒ってる?」
「別に?」
不味いことをしたかと不安な表情で聞いてくるラミ姉。
ふふふ、ラミ姉にしては察しがいいじゃないですか。
「あの、もうそろそろ出掛けたいんだけど」
私達のやり取りが長かったためか、リルさんがひょこっと顔を出してきました。
リルさんも既に着替えは終えているようです。
「すみません、そろそろ行きましょうか」
「うん、行こう」
ラミ姉に「早くしてください」という視線を送ると、いそいそと着替え始めました。
ラミ姉は天使らしい白衣装を着ています。
「お待たせ〜遅くなってごめん」
「可愛い」
リルさんが目を輝かせてラミ姉に近寄ります。
私たちは基本黒衣装なので新鮮なのでしょう。
「そう?リルちゃんも可愛いよ」
「っ⋯⋯」
リルさんが珍しく頬を染めています。
姉は当たり前のように口説き文句を言える方なんですよね、リルさんは私のものです。
「レミリエルさんのものじゃないよ⋯⋯?」
「リルさん、独白読むのやめてください」
そんなこんなで私達は屋敷の外へ出て、いざ宛もなくお出かけに飛び出しました。
とてもお天気が良くお出かけ日和です。
「日差しがきつい」
そう呟いたリルさんは、吸血鬼のハーフといえど陽の光はあまり気分のいいものでは無いらしく、日傘を指しています。
「大丈夫ですか?無理はしないでください」
「平気、行こう」
リルさんは頑なに「平気」の一点張りなので、そのまま様子を見ながらお出かけする事になりました。
「レミ、人間界でのオススメのお店とかないの?」
「オススメのお店ですか⋯⋯」
カトリの街は露店が多い事で有名ですが、リルさんもいますしできれば屋根が付いていて座れるお店がいいですよね。
ラミ姉は本をあまり読みませんし、私からオススメ出来る場所は一択です。
「なら、カフェに行きましょう」
カフェです。
私とエリルがよく定期的に集まってお喋りに興じているあのカフェです。
何時もは外のテーブル席に座っていますが、室内でも飲食出来たはずです。
「へえ〜。一丁前に行きつけのお店があるんだね」
いや一丁前て。ラミ姉に悪意がないのは知っていますが、学がないせいかたまに一般的に見たらキツイ言葉を吐いてくることがたまにあります。
「ほら、着きましたよ」
ラミ姉はもちろん、リルさんも初めてな様で落ち着かない様子をしています。
ふふふ、是非私のオススメを味わってもらいましょう。
ラミ姉のお金で。




