36、ラミリエルの素顔
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さて、私は裏の方の姉と戯れるとしますか。
「レミリエル⋯⋯⋯⋯」
「はい」
「さっきはキツイ態度取っちゃってごめんね〜!お母さんの前だから姉の威厳を保たないといけなくてさ」
姉の態度は先程とは打って代わり、鋭かった目付きは見る影もなくなっています。
そして私に抱きついてきます。
「んー、人間界に来てもレミのいい匂いは変わらないねぇ。お姉ちゃんに会えなくて寂しかった?」
姉は妹の私をいびること無く可愛がってくれるので、会えなくなって寂しい気持ちもありましたが、正直熱量がアレなので清々した所も若干あります。
そんな事口が裂けても言えませんが。
「さ、寂しかったですよ」
「私も寂しかったよ。だから今日は妹成分たっぷり補充させて!」
姉は私の胸に顔を埋めた挙句に「あ、ちっちゃい」等と抜かしてやがります。
「もう⋯⋯いい加減にし下さい。ラミ姉」
あ、ちなみにラミ姉とは察していると思いますが私の姉の事です。
私の姉の名前はラミリエル、通称ラミ姉です。
「ラミ姉って久しぶりに呼んでくれたね」
「会うのが久しぶりですから、呼ぶのも必然的に久しぶりになりますね」
再会を喜んだところで、リルさんが飲み物を持って帰ってきました。
「あの、コーヒーです。お砂糖とミルクはお好みでお願いする」
リルさんは表の高圧的なラミ姉しか見ていないので、緊張している様でいつもより固い表情をしています。
「あ、ありがとう〜。いつもレミリエルと仲良くしてくれてありがとうね」
「あっ、え、はい」
リルさんが困惑しているので「これが本来の姉ですよ」と耳打ちをします。
大抵の方が姉のこの変貌ぶりに困惑するのでこの光景はもう見慣れています。
「所で、ラミ姉はいつ天界に戻るんですか?」
「え、来たばかりなのにもう帰る話なの。もしかして帰って欲しい感じ?」
ラミ姉の顔がみるみるうちに絶望一色に染まっていくので、「そんな事ないですよ、ゆっくりしていって下さい」と慌てて救いの手を入れました。
リルさんには申し訳ないのですが、今日中に帰れとは言い難いです。
「なら久しぶりに人間界で一泊していこうかな 」
「もう遅い時間なので宿、取れるでしょうか⋯⋯」
リルさんとは一緒に暮らしてるとはいえ、ここは元々リルさんのお屋敷なので「一泊くらいここでしていきなよ!」と安易に言い難いのです。
リルさんはそんな私を見兼ねたのか、「ならここに泊まっていけばいいと思う」と助け舟を出して下さいました。
「本当にいいの?リルちゃん迷惑じゃない?」
「私は別に。レミリエルさんのお姉さんなら信用できるし」
「えへへ。やったぁ」
ラミ姉はリルさんにお礼を言いつつ、「レミリエル、信用されてるんだね」と微笑みかけてきました。
ラミ姉は私の鬱々しい天使学校時代を知っているので他人と上手く関われているのが、信用されているのが単純に嬉しいのでしょう。
「ふあぁ⋯⋯安心したらお姉ちゃんは眠くなってしまったよ」
「時間もおそいですから、そろそろ眠りましょうか?」
「ベッド、こっちだよ」
寝室へ移動しましたが困ったもので、二人用のベッドに三人は狭すぎです。
「今日は私、棺で寝ようかな」
「んー?ギュウギュウで寝るのも楽しいよ?抱きしめてあげる!」
ラミ姉の提案で、二人用のベッドに三人で眠ることになりました。狭いです、落ちそう。
「ほらレミ、昔みたいにギューしていいんだよ?」
「幾つだと思ってるんですか⋯⋯リルさんも見てますしやりませんよ」
私が断るとラミ姉は私からリルさんの方に向き直しました。
「リルちゃん、ギューしてあげる」
「私も、いいかな⋯⋯」
ラミ姉が「えー」と不貞腐れるので、明日の予定について聞いてみますか。
「ラミ姉、明日はどうされるんですか?」
「何も考えてないよ」
きっぱりとしたラミ姉に、リルさんが「なら明日はカトリの街を案内する」と提案してくれました。
「おぉ〜、それは嬉しいなぁ」
「という事ですので、今日はもう寝ますよ」
「はぁい」
ラミ姉が素直に返事をした所で、私たち瞼を閉じました。
明日、どこにラミ姉を連れていきましょうか。人間界で出来た知り合いに会わせてあげましょうか。
眠る事が出来ずに思考ばかりが脳を巡ります。
このままでは眠れないのでは、なんて不安になりましたが気が付けば鳥の鳴き声と共に朝日が登っていました。
「ん、んん⋯⋯もう朝ですか」
起き上がり、両隣を見るとまだ二人とも寝息を立てていました。
「二人はまだ夢の中ですか、先に身支度をしてしまいましょう」
二人を起こさないようにソっとベッドから降り、身支度をします。
ふと窓の外を見ると天気は晴れ、絶好のお出かけ日和な様で、何だかんだで久しぶりの姉とのお出かけに胸が高鳴りました。




