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27、私史上最大の危機

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「実はね、私サキュバスなの」


 こんにちは、もしかしたらこんばんはなんて事もありますかね。


 どうも、レミリエルです。只今絶賛サキュバスに捕まってしまい、人生最大のピンチです。


 え?悪魔と戦った時の方が危なかったって?

 何言ってるんですか、私の貞操が今失われるかもしれない危機なんですよ。


 どちらが重大かなんて考えたら分かるでしょう。

 あ、悪魔召喚の方が重大ですか、そうですか。


 潰します。


「フフ、レミリエルちゃん。浮かない顔してどうしたの?」


 耳元に吐息が吹き掛かります。やめて欲しい。


 分かっているでしょう、浮かない顔は完全に貴女のせいですよ。


 はてさて、ここからどうしましょうか。

 このままでは完全に流れてしまいそうなので、そろそろ帰らせて頂きたいのですが。


「あの、帰りたいです」


「ダメー」


 駄目でした。

 最悪、力ずくでお帰りさせて貰いましょう。

 天使とは純潔で無ければいけないものです、こんな所で汚されてはたまりません。


「ねぇ、レミリエルちゃんって本当に女の子だよね?」


「いや、見て分からないんですか?」


 デビさんは、なにを疑っているのか知りませんが謎の問い掛けをしてきます。


「いや、胸貧相だからもしかしてって」


「はぁ?マジで力ずくでかましますよ」


 確かに視線は胸元に感じましたが、随分舐めたこと考えてくれてるじゃないですか。


「まっ、お顔はとっても可愛いから自信もって」


「そういうのいいですから⋯⋯」


 貶してきたり、お世辞を言ったり。

 正直あまり良い気分ではなく、早く帰して欲しい気持ちがより一層強くなります。


「ごめんね?嫌な気持ちにさせちゃった?」


 デビさんは私の頬を手の平で撫でながら申し訳なさそうに謝罪の言葉を述べました。


 まぁ、謝ってくれるなら良いですが。


「私、女の子にしか興味無いから良かったわ」


「サキュバスって男性に淫らな夢を見せるのが普通じゃないんですか?」


 デビさんは「んー」と指を唇に当てながら私にかける言葉を探しているようです。


「まあ、一般的にはそうだね。でもサキュバス一人一人で違うから、私みたいなのも結構いるんだよ?」


「へぇ、そうなんですか。じゃあ私としては厄介な方に捕まってしまったと」


「あはは、まあ気になるのならここの宿に泊まってる他のサキュバス達に聞いてみなよ」


 ん?ここの宿に泊まっている他のサキュバス達?おかしいですね、聞き間違いでしょうか。


 デビさんは「もしかして」という顔をする私に確信付けるかのように、次の言葉を述べました。


「ここはね、私たちサキュバス達しかいない宿。さっきの受付さんも、もちろんサキュバスだよ」


 そこで私は合点がいきました。妙に引っかかっていた「お楽しみください」の意味を。


 成程、私は単身でサキュバス達の本拠地に乗り込んでしまったわけですか。

 つまり、ここで暴れようものならサキュバス総出で鎮圧される可能性があると。


「卑怯ですよ⋯⋯」


「フフ、何がかなぁ」


 デビさんは妖艶な笑みを浮かべながら、私の髪や頬を撫で回します。


「髪はさらさら、肌はすべすべ。何か特別な手入れでもしているの?」


 うっとりとした様子で質問を投げかけてくるデビさん、特別な手入れですか。


「特に何もしていませんね」


 カトリの街にひしめき合っている露店から、化粧水や保湿液を購入して入浴後に使っている程度です。それ以外は得に思いつきません。


 髪に関しても、同様です。


「へぇ、それでこんなに綺麗な状態を維持しているんだ」


「驚く程のものでもないですよね」


 私の目の前のデビさんの方こそ、透き通った髪と肌。きっとかなりのお手入れをして維持している物なのでしょう。


「あ、そういえばサキュバスって大抵夜中に現れるものですよね。今昼間ですよ」


 窓の外には日が当たり前のように昇っています。


「だって、夜更かしは美容の大敵でしょ?」


 あ、やっぱりこれは努力されてるやつだ。

 夜更かしが嫌なサキュバスなんて聞いた事ないですよ。


「じゃ、そろそろ遊びは終わりだよ」


 瞬間。デビさんの目が獲物を捕える獣の目に変わりました。空気が変わったのを肌で感じます。


 デビさんの口調は穏やか、なんの代わりもないはずなのに私は完全に捕えられる側になってしまいました。


 これから何をされるのか、私ももう子供では無いので容易く想像がつきます。


 脳内で想像したのがいけませんでした、意にそぐわない行為に全身が強張ります。


 これでは、抵抗ができません。した所で宿屋のサキュバスたちに鎮圧されるでしょうが。


「艶やかな唇ね」


 舌なめずりの後、彼女の顔は徐々に唇へと近付いてきます。


「やっ、やだ!やめてくださっ!」


 怖い、助けて欲しい。抵抗しようにも身体が動かない。

 意にそぐわない、嫌だ、こんな不当な事があってもいいのでしょうか。

 私の目には次第に涙が浮かびます。


 無慈悲にも、彼女の唇は勿体ぶるように迫ってきます。




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