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魔法少女登場!


「ワーッハッハッハッハ!!!我が名は徴犬制のヴォーニアタル!!愚かな人間どもめ!!我らの力、思い知るがよい!!」


ターミナル駅から特急で1本だが、ショッピングモールとかもあってそこそこ栄えている平和な星守市に、異世界からの侵略者現る!!


「ギャーー!!助けてーーー!!」

「去年ようやく舗装工事が終わったばかりの駅前ロータリーが壊されちゃう!!」


徴犬制のヴォニアタールは、手に持った棒的な武器で、目についたものを手当たり次第に殴りつけていく!!

破壊されゆく美しい街並み!!

善良な市民たちの悲痛な叫び!!助けを求める悲鳴!!


「ワーッハッハッハッハ!!!我々は全世界の支配を目論む悪の組織、ペルソナ・ノン・グラータ!!」

「じ、自分で悪の組織って言ってる!!怖いよー!!」

「お巡りさーん!!」


市民の危機を察し、地元の警察官たちがヴォニアタールに向かっていく!

「やめろー!街を壊すなー!!」

警察官の警棒攻撃!!しかしヴォニアタールの異次元的な力で強化された棒的な武器とは威力は雲泥の差!!月とスッポン!!


「ワーッハッハッハッハ!!!この世界の人間の力などこんなものかー!!!!行け!!この我ヴォニアタールの徴犬制によってパワーアップして二層歩行とかできるので頭も良くなったバイオ柴犬!!バイオドーベルマン!!バイオポメラニアン!!」


ヴォニアタールの背後から、恐るべき、三つの巨影!!

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

平和な星守市に、二足歩行の犬あらわる!!!

市民の平和を守るため、警官隊が立ち塞がる!

「と、止まれ!やむを得ん!発砲!!」

バチューン!バチューン!バチューン!

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

バイオ柴犬とバイオドーベルマンとバイオポメラニアンは警官隊の射撃をブリッジ回避!!ノーダメージ!!

二足歩行の利点を活かしたクレバーな防御戦法である!!

「くっ……二足歩行だから頭も良くなっているということか……!か……勝てない!人間よりも強い犬が更に二足歩行してたら勝てないよ……!」

「救いは無いんですか!?」


無力さに打ちひしがれる警官隊!!

絶望に苛まれる善良な市民!!

ああ、この危機を救える者はいないのか!?

「みんな!!あきらめないで!!」

そう!!

いる!

いま!

そこに!

ショッピングモールの屋根のちょっと高くなった所に!3つの可憐な影!


「そこまでよ!悪の組織!!」

緑の風が吹き抜けた。

「私たちが隣町のスイーツ店の半額セールに行っている隙を狙ってくるなんて、セコい真似してくれるね!」

赤い稲妻が閃いた。

「今更謝ってももう遅いぞ!」

青い極光が揺らめいた。

そこに立つのは、三色のコスチュームを纏った、三人の可憐な乙女!!


「ワーッハッハッハッハ!!おのれぇー!今週も我々悪の組織ペルソナ・ノン・グラータの邪魔をすると言うのか!魔法少女めが!!!」

そう、魔法少女。異世界の異世界的な力に、唯一対抗可能な武力!それが魔法!魔法少女とは、魔法の少女のことである!!


「魔法少女、レッドシェダル!!」

赤いコスチュームを纏った少女がかっこいいポーズを決めると、背後にマジカル的な力でカシオペア座が煌めく!

そして赤い煙の爆発!バゴーン!!


「魔法少女、ブルースピカ!!」

青いコスチュームを纏った少女がかっこいいポーズを決めると、背後にマジカル的な力で乙女座が煌めく!

そして青い煙の爆発!バゴーン!!


「魔法少女、グリーンカノープス!!」

緑のコスチュームを纏った少女がかっこいいポーズを決めると、背後にマジカル的な力でアルゴ号座が煌めく!

そして緑色の煙の爆発!バゴーン!!


「やった!魔法少女だ!」

「これ今テレビ映ってるの!?」

「サインください!」

善良な市民から万雷の拍手と歓声!!


「みんな!私たちが来たからにはもう安心だよ!!はぁっ!!シェダルホイップ!!」

レッドシェダルのベルトに付いていたガジェットが、物理法則を無視したマジカル的な変形によって、背丈よりも長い真紅のセグメント分割鞭に変形完了!!

「シェダルホイップ・ジェノサイド!!!」

真紅のセグメント分割鞭は目にも止まらぬ速さで徴犬制のヴォニアタールの身体に巻き付き、更に内蔵されたマジカル的な蓄電機構が作動し、人食い熊をも一撃で即死させる強大な電撃となって徴犬制のヴォニアタールを攻撃する!!

セグメント分割鞭に縛られたままの徴犬制のヴォニアタールに回避の手段なし!!!

「ギャーーーーーーー!!!!!!!!!!」

徴犬制のヴォニアタールの身体は、まるで骨が透けているかのように明滅し、溢れ出た電流が真紅の稲妻となって周囲に放電される!!

近づくと危ないぞ!!


「ギャーーーーーーーーー!!!!!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

バイオ柴犬とバイオドーベルマンとバイオポメラニアン!!

二足歩行バイオ犬たちが、飼い主の救援に向かう!!

「おっと、ここから先は通さない」

「あなた達の相手は、私たちよ!」


二足歩行バイオ犬達の前に、魔法少女ブルースピカと魔法少女グリーンカノープスが立ちはだかる!

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

バイオ柴犬とバイオドーベルマンとバイオポメラニアンの、目にも止まらぬ必殺のジャブ!フック!正拳突き!!


「い、犬がパンチ!そ、そうか!人間は二足歩行によって頭が良くなったし、パンチも出せるようになった!だから二足歩行する犬もパンチが得意と言うわけか!カンガルーとかもパンチが強いし!」

冷静な参謀役、ブルースピカの超速理解!!

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

尚も続く必殺の乱打!!まさに犬ボクサー!魔法少女vs犬ボクサーだ!!


「ブルースピカ!ボクサー相手に接近戦は不利よ!距離を取って!」

「そうか!さすがグリーンカノープスだ!」

冷静なまとめ役、グリーンカノープスの正確な分析!!

「距離を取るなら任せて!てやあっ!カノープスケイン!」

グリーンカノープスのベルトに付いていたガジェットが、物理法則を無視したマジカル的な変形によって、背丈よりも長い翡翠色の魔法杖に変形完了!!

「カノープスケイン・テンペスト!!!」

グリーンカノープスがカノープスケインで指し示した先に、幾何学模様の魔法陣が出現!!

魔法陣が翡翠色の燐光を纏ったかと思うと、魔法陣を中心に家や車が飛ぶレベルの暴風が発生!!

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

バイオ柴犬とバイオドーベルマンとバイオポメラニアンが吹き飛ばされる!!

近づくと危ないぞ!!


「後は私に任せて!!とあーつ!!スピカセイバー!!」

ブルースピカのベルトに付いていたガジェットが、物理法則を無視したマジカル的な変形によって、刃渡り1メートルほどの紺碧の刺突剣に変形完了!!

ブルースピカはスピカセイバーを頭上に構えたまま、暴風の勢いで切り揉み上昇!!


いっぽう、暴風によって空中に巻き上げられたバイオ柴犬とバイオドーベルマンとバイオポメラニアンが放物線の頂点に達し、自由落下へと移行する!

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「ワンワン!」

「四足動物と違って、二足歩行の生き物は基本的に落下中は動けないし無力!下手に進化したことが仇になったな!!スピカセイバー・オンスロート!!!」

削岩ドリルめいて切り揉み上昇するブルースピカの切先が、落下するバイオ柴犬とバイオドーベルマンとバイオポメラニアンをまとめて串刺しにする!!

ボクシングにおけるカウンターを重力による上下運動に応用した、まさに絶技!!神業である!!


「ワンワーン!!!」最初に貫かれたバイオ柴犬が爆発!!

「ワンワーン!!!」次に貫かれたバイオドーベルマンが爆発!!

「ワンワーン!!!」最後に貫かれたバイオポメラニアンが爆発!!


「いくら犬がボクシングの真似事をしても、所詮は前足!真のパンチを極める事はできなかったようだな!!」

「あとは徴犬制のヴォニアタールただ一人よ!!」


徴犬制のヴォニアタールは、レッドシェダルのシェダルホイップの電撃を受け続けていた!

「ウギャーーーーーーー!!!!バイオ柴犬!!!バイオドーベルマン!!!バイオポメラニアン!!!うおおーーー!!!!貴様ら許さんぞおおおおおおお!!!!!」


徴犬制のヴォニアタールの怒りゲージがマキシマム!!な、何が起こるというのだ!!

「この程度の電撃!!!むしろ血行がよくなるわーーーッッッ!!!」

徴犬制のヴォニアタールはその場で高速回転!!!巻きついていたシェダルホイップが更に巻き付き、逆にレッドシェダルを引っ張り込む!!

なんたる執念!!

「ああっ!!シェダルホイップが!!」

巻き込まれるのを防ぐために咄嗟にシェダルホイップを離してしまったレッドシェダル!!

シェダルホイップの電撃が止み、徴犬制のヴォニアタール、戦線復帰!!その頭はチリチリのモコモコになってしまったが、闘志は健在!!


「ワーッハッハッハッハ!!貰ったぞ!!貴様の武器を!!!」

先程まで徴犬制のヴォニアタールに巻きついていた真紅のセグメント分割鞭は、今は徴犬制のヴォニアタールの手に握られていた!!レッドシェダル、危うし!!

「ああっ!なんという事でしょう!魔法少女レッドシェダル、唯一の武器を敵に奪われてしまいましたーっ!」

ヘリコプターから実況中継を行うアナウンサーの悲痛な叫び!!

「魔法少女がんばれー!」

地元の子供達の声援!!


「自分の武器をくらえーッ!!」

「ああんっっ!!!」

徴犬制のヴォニアタールが振りかぶった真紅のセグメント分割鞭が、本来の持ち主であるレッドシェダルの身体に巻きつく!!

切り裂かれた真紅のコスチュームから、白い素肌が痛々しく顔を覗かせる!!

「や、やだ、コスチュームが破け……ひゃあああああんっッッッ!!!!!」


電撃!!

平和を守るために作られた魔法少女の武器が、逆に魔法少女を攻撃しているとは、なんという皮肉!!


「あんッ!ひゃうッ!?あっ……あっ、だ、ダメ……あひゃあッ!?……あっあッあっ……」

真紅のコスチュームの電撃耐性のお陰で肉体的ダメージは軽減されているものの、激しい電撃によってコスチュームはみるみる破損し、乙女の素肌が刻一刻と衆目に晒されていく!!

「あンッ!や、やめ……あんんンッッッ!!!きゃうぅッッッ!?あっ、あッ!?あんっ、アんッ!あ〜んッッ!!」

自らの武器による電撃に身悶えする魔法少女レッドシェダル!!

ちなみに魔法少女はマジカル的な力によって肉体を強化されているので、どんなに攻撃を受けてもその玉のお肌に傷がつくことはないが、コスチュームはその限りではない!!!

「きゃうぅっ!?ダメ駄目だめえっ!!あんっ!あんッ!ひゃぁあんッッ!!」


「レッドシェダル!負けないで!!」

「今私たちが助けに……!」

加勢に向かおうとするブルースピカとグリーンカノープスの足取りが急に重くなる!!

「か……身体が重い」

「こ……これは、怨霊!!」

驚くなかれ!ブルースピカとグリーンカノープスの足にしがみついているのは、先程刺突貫通爆発死したはずのバイオ柴犬、バイオドーベルマン、バイオポメラニアン!!

そう、彼らの怨霊!いわば残留思念が形を持って物理的な力場を生じるほどの怨霊となってブルースピカとグリーンカノープスの足にしがみついているのだ!死してなお、主人を守るために!!

「なっ、なんと!敵ながら天晴れ!」

「まさに忠犬ね……」

感心している場合ではないぞ!!


「あ〜っ!レッドシェダルの真紅のコスチュームの布面積が残り僅か、残りわずかです!!このままではレッドシェダル、カメラの前で素っ裸、素っ裸です!!危うしレッドシェダル!!」

ヘリコプターから実況中継するアナウンサーもマイクを握りしめる!

「レッドシェダルがんばれー!」

地元の子供達の声援!


「やぁああんッッ!!止めてっ、止めてよおっ!撮らないでぇえええ!!!あんっ!コスチューム破けちゃうぅ〜あひッ!?あんッ!あンッ!あんっ!…………あん?」

セグメント分割鞭に縛られたまま電撃攻撃に身悶えしていたレッドシェダルだったが、電撃が……止んだ!

マジカル的な蓄電機構にも限界はある!即ち、電池切れである!!

魔法少女のコスチュームの防御率が、魔法少女の武器の攻撃力を、僅かに上回ったのである!コングラッチュレーション!スタンディングオベーション!!

「レッドシェダルがんばれー!」

地元の子供達も更なる声援を送る!!

もはやレッドシェダルのコスチュームは辛うじて大事な所を隠すだけのほとんど裸族状態で、ギリギリテレビに出れるレベルで、可愛らしいお尻のラインも柔らかそうな胸のラインも滑らかな背中もほっそりしたお腹もしなやかな太ももも丸出しだったが、ギリギリテレビには出れるレベルなので大丈夫だ!

しかし、自分の鞭に縛られて手が使えないので恥ずかしいところを隠すことはできないぞ!!


「お、おのれ、電池切れとは……!」

今や万策尽きたのは徴犬制のヴォニアタールの方だ!一方、レッドシェダルの怒りゲージはマキシマム!!

「よくも……!」

「く、くそっ、出ないか?電気!振ったら出ないか!?電気!」

徴犬制のヴォニアタールはセグメント分割鞭の取ってのボタンをカチカチ押しながらブンブン振っていた!!

「死ぬほど恥ずかしかったんだからね!!!???死ねぇーーーー!!!!!!!!」

先程とは逆方向にレッドシェダルの身体が高速回転!!!

ボタンをカチカチしていた徴犬制のヴォニアタールは手を離すタイミングを逸して、セグメント分割鞭を高速で巻き取るレッドシェダルに向かって引き込まれていく。

「ギャーーーーーーーーー!!!!」

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

無防備状態で飛び込んでくる徴犬制のヴォニアタールのチリチリの頭に向かって、必殺の頭突き!!!

カウンターである!!

頭蓋骨は人体で3番目に硬い骨!!マジカル的な力で強化された頭突きは、もはや鈍器!!しかもカウンターである!!!

「ギャーーーーーー!!!!!悪の組織ペルソナ・ノン・グラータ、バンザーーーーイ!!!!!」

徴犬制のヴォニアタールは万歳をしてから倒れると一瞬その姿が消えてからすごい爆発!!!近づくと危ないぞ!!

ドガーーーーーーーーン!!!!


「レッドシェダル!」

「やったわね!」

怨霊が消えたので自由に走れるようになったブルースピカとグリーンカノープスが駆け寄る。

あの怨霊はおそらく徴犬制のヴォニアタールの異次元的な力が生み出したものだったのだろう。

「……って、すごい格好じゃないかー!」

「な、何か隠すもの〜!」


「やったー魔法少女が勝ったー!」

「握手ありますか!」

「サインください!」


地域住民からの温かい歓声!!

ターミナル駅から特急で1本だが、ショッピングモールとかもあってそこそこ栄えている平和な星守市に、束の間の平和が戻った!!

しかし、異世界では怪しい影が……!


「徴犬制のヴォニアタールがやられたようだな……」

「所詮、奴は犬しか能がなく我々47人衆の中でも最弱よ……」

「ククク……来週はこの徴論制のリーショーコにお任せあれ」

彼らは一体……その謎は、いずれ明らかになる時が来るだろう。


「み、見ないでぇ!恥ずかしいぃ〜!!」

「撮らないでください!撮らないでください!」

ブルースピカとグリーンカノープスに両脇でほとんどすっぽんぽんの身体を隠されながら、人混みを掻き分けて星守市駅前から退場していくレッドシェダル。なんかもう丸見えというよりもはや隠れているところが逆にエロいレベルで損傷しており、ブルースピカとグリーンカノープスの身体だけでは隠すのも限界である!

恥ずかしくても来週も頑張れ!魔法少女たち!


「撮らないでっ!!撮らないでってばぁーーーーっ!!!」



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