191話 覇壊VS終焉4
外が暑い………
「あと気になることが一つだけあるんだ」
急に空気が震え始める。
「覇壊神王の力を使ってこの空間が保つことができるのかってことだ!」
叫んだと思えば真後ろに移動していて横蹴りを放ってくる。
それを転移することでギリギリ避けた。
「っ!?」
右腕に違和感を感じ、見てみると薄く切れていた。
「へぇ、よく避けたな」
声がした方を見ると鬼神王と針神王の力を使っている覇壊神王が脚をもとに戻して拳を構えている。
肌は赤く染まり、腕や脚に無数の針、額に赤い一本の角を生やした覇壊神王がニヤリと笑う。
「魔法はからっきしだが転移と強化だけは使えるんだ。どうだ、蹴りの威力は?」
ただの蹴りにしては明らかに速い、だけどそれだけじゃこんな切り傷が出来るわけがない。まあもう治ったけど。
傷がきれいさっぱりなくなった腕を振って円上に血を飛ばす。
「鬼と針の力ですね?見せてくれてありがとうございます。お陰で使えそうです!」
レンも同じように真後ろに転移し横蹴りを放った。
同じように放たれた蹴りをギリギリ転移で避け、先程までレンがいた場所に転移する。
「かかった」
その言葉に覇壊神王は気づくが全方位攻撃を食らった後だった。
「『血槍陣』」
レン以外が入ると発動し、円上になっている血が槍となり襲いかかる。吸血神王の力だ。
「ちっ…………ふん!」
刺さった血の槍を針で吹き飛ばす。刺さっていた場所からは止めどなく血が流れ出る。
「禁忌召喚…………『喰神龍』」
覇壊神王が大量に流した血を使って真下から召喚する。
「おいおいマジかよっ!」
召喚を止めることはもう不可能。ノーモーション召喚であるため気づくことすら遅れてしまう。
急いでその場から転移した覇壊神王だが召喚された化け物を見て唖然とした。
歴代最強神王によって完全に消滅させられたはずのニーズヘッグがいとも簡単に召喚されたことに。