188話 覇壊VS終焉1
二時間以上寝てたからか頭が………
「それじゃあ手合わせでもしてもらおうか………な!」
いきなり神鎚を頭めがけて振り下ろしてくる。それを転移で避けたレンは今まで自分がいた場所を見て驚いた。
地面が消えてる………。ただ振り下ろしただけで神王界の地面を消すなんてどんな化け物だよ。
「へぇ、これを避けるのか。大体のやつはこの初手で死ぬんだがな。避けたやつは二人目だ」
そう言いながらその場で横に神鎚を振った。するとレンまで振った時に出る衝撃波が暴力となって襲いかかった。
「ぐっ!」
さすがに避けきれず腕で防いだが、骨まで衝撃が響く。これを何度も受け止めたら骨が砕けるだろう。
だが防戦だけしているわけにはいかない。ラグナを呼び出し、嵐神覇王太刀に変身してもらい覇壊神王に斬りかかった。
「おっ、こいつが意思持ちの神器か!というかこいつは神王器になってやがる!」
嬉しそうな顔をしながら神鎚で太刀を弾いた。
「うおっ!」
神鎚で弾いた時に出た太刀の嵐で腕が吹き飛ばされかける。後ろに持っていかれる遠心力で一回転し、そのまま攻撃に移った。
それから何度か武器のぶつかり合いがあったが両者ともなかなか隙が出来ない。
「ははは!こんなやつ初めてだ。もっと楽しませろ!」
笑いながら武器に赤い闘気を纏わせた。
「はあ、これは普通に戦ってたら勝てなそうだ。だったら僕も―――ラグナ!」
レンの声に答えるようにラグナが光だし、周囲にレンの全神器が出現した。そして
「なんだこりゃ!増えやがった!」
分身しレンが神器の数と同じ人数に増え、その神器にあった姿に変化した。本人は終焉神王の力を最も出しやすいいつも通りの姿だ。
そこからは激しい攻防が始まった。白虎の刀による嵐、精霊の短刀による花吹雪、喰狼の鎌による重力改変、死鳥の杖による死鳥召喚、龍の槍による気候変動、鳥龍の弓による状態異常の矢雨。そしてレン本人の終焉を招く神速の様々な爪擊。
これを全力で繰り出していく。
「おいおい、神王界を消し飛ばす気か!?それにそんなんだとお前の神力が持たねえぞ!」
確かにこのままでは神王界が消える。そして神力がもたない。だがこれは予想済みだ。